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記事2008年2月23日 2091号 (1面) 
認定こども園、内閣府所管に
経済財政諮問会議 有識者議員全員が提言
 政府の経済財政諮問会議が取り組んでいる新たな経済成長戦略について二月十五日の会合では、有識者議員四人全員が連名で、子育てサービスの緊急整備などを内容とする新雇用戦略を策定すべきであると提言した。この中で、認定こども園の所管を内閣府に移すことなどが盛り込まれた。
 この新雇用戦略では、女性、若者、高齢者のそれぞれを対象とした対策で構成し、女性を対象に講ずべき対策としては、子育てサービスが受けられないために就業を断念することのないように、サービス利用率向上に向けて、二〇〇九年度から三か年で緊急にサービスを整備するプランを策定するとし、認可保育所だけに依存せず、新保育サービスの整備に重点を置くことを提言している。
 この新保育サービスのうち、認定こども園については、既存の幼稚園から認定こども園への実効ある転換誘導策を講じるとし、さらに、二重行政が制度拡大の障害の一因であるとして、監督を内閣府に移管して一元的な運用を行う、それが困難なときは、文科・厚労の両省の所管に重なりが生じないよう、年齢で区分するなど分担を改める、などの改革を提案した。
 これに対して、渡海紀三朗文部科学大臣は、両省で連携して取り組んでいる施策を説明するとともに、内閣府に移管する案に対しては実施部隊をどうするのかなど円滑な運用ができるかどうかの懸念を表明した。舛添要一厚生労働大臣も、両者には教育の観点と福祉の観点とでは相違があるため、内閣府へ一元化する案の長所短所を細かく議論する必要があるとして早期に実施する提案には疑問を表明した。
 岩手県知事の経験がある増田寛也総務大臣は、認定こども園について、関係者の不満が大きいのは事実だ、幼保のかけ橋にしようとしているが、根っこの部分が幼保の制度それぞれと切れておらず足し合わせたような形になり、お互いが取り合いになって混乱していると現場の感覚を話し、ニーズに応える時期だと述べた。文部大臣を経験した町村信孝内閣官房長官は、円滑に進まない理由は、保育所は福祉だから国費が多く出て親の負担が少ないが、幼稚園は教育だから国費が少ししか出ず親の負担が多いことに尽きる。子ども庁を作って一元行政するしか答えはないというのが十年来の主張だと述べた。
 これらについて、地方分権改革推進委員会とも連携をとりながら議論を継続することになった。
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