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記事2008年2月13日 2090号 (5面) 
新校長インタビュー (155) ―― 東京家政大学附属女子中学・高等学校
校長 湯山隼之助氏
建学の精神女性の自主・自律下に
ヴァンサンカン・プラン導入


 東京家政大学附属女子中学・高等学校(湯山隼之助校長、東京都板橋区)は、理想の二十五歳の「私」になるために、総合学習「ヴァンサンカン(二十五歳)・プラン」を導入している。湯山校長はこう説明する。
 「この総合学習は、同校が創立以来掲げている建学の精神『女性の自主・自律』の下に、自己を確立し、社会の中で自らの力によりキャリアを築いていく『二十五歳』という年齢を見据えた教育プランです」
 総合学習をきっかけに、卒業後の自分について真剣に考えるようになった、ということが言われるようになった。高校一年を(1)「研究プラン」、二年を(2)「体験プラン」、三年を(3)「ステップアッププラン」と位置づけている。(1)では、「二十五歳の私」についての作文作成、職業研究、大学の学部・学科研究、OG講演会、ボランティア研究を行う。(2)では、体験学習としてボランティア体験、オープンキャンパスへの参加、小論文研究などが行われる。(3)では、「二十五歳の私」のまとめ、大学出張授業、面接研究などが行われる。ボランティア活動は、高校二年生全員で保育園、幼稚園、福祉関係の仕事場などを中心に行っている。
 同校は、中学一・二年を基礎学力期とし、中三・高校一年では英語・数学で少人数習熟度別授業を実施する「スタンダードクラス」と授業内容を深め、問題演習を多く取り入れた授業を行う「アドヴァンストクラス」に分かれる。そして、高校二・三年になると、文系・理系・総合コースに分かれ、それぞれの希望する進路を目指すことになる。
 同校には「スクールカウンセラー」とともに、専任の「スクールソーシャルワーカー」を置き、保健室と連携して指導に当たっているのが特徴だ。生徒や保護者の悩みを教師が一緒になって考え、解決していく考えだ。この考えは、中学一年生と保護者全員に対し個人面談を行っていることにも表れている。
 湯山校長は、生徒に対しては、「前向きに考え、たくましく生きてほしい」と期待をかけている。学校としても、「教師がお互いに信頼関係を築いて、生き生きとした学校にしていきたい」と希望を持っている。
 新卒で同校に奉職。専門は化学。
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