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記事2008年12月3日 2118号 (1面) 
20年度アクションプラン提示
文部科学省 中教審教育振興基本計画部会に
私学支援を着実に
実施状況点検参考指標も記載
 中央教育審議会の教育振興基本計画部会(部会長=三村明夫・新日本製鐵代表取締役会長)の第一回会合が十二月二日、都内で開かれた。この日、文部科学省から初めて「教育重点施策二〇〇八〜平成二十年度教育振興基本計画アクションプラン」が提示され、委員による点検・評価が行われた。また同部会の今後の予定も明らかにされたが、来年二月頃には二十一年度アクションプランを検討、来年七月頃には二十年度の施策の進捗状況を点検。また第二期教育振興基本計画(平成二十五年度から二十九年度まで)については二十三年夏頃に諮問・検討されることが分かった。

 教育振興基本計画については教育基本法の改正により、十年先を見通して、今後五年間(平成二十年度から二十四年度)に総合的・計画的に推進する施策をまとめたもので、今年七月一日に閣議決定されている。
 その五年計画に基づいて毎年作成するのがアクションプラン。今回示されたアクションプランは二十年度版で初めてのものとなる。教育振興基本計画で示された、「社会全体で教育の向上に取り組む」「教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し、社会の発展を支える」「個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる」「子どもたちの安全・安心を確保するとともに質の高い教育環境を整備する」の四つの基本的方向に沿って個々の施策を示している。このうち私学助成に関しては、「私学助成や私立学校の支援を着実に実施します」とした上で、具体的には、「私学助成や学校法人の多元的な資金調達を促進するための税制改正など私立学校の支援を着実に実施」「学校法人の自主的な経営改善努力を促すため、経営相談や経営分析を通じた指導・助言などの支援を実施」「私立の高等学校等が行う授業料減免事業に対する支援の実施」を行う。
 またこうした施策が総合的・計画的に実施されているかの点検に当たって、参考とすべき指標も提示されているが、私学関係では、私学助成の予算額、税制改正の内容、学校法人運営調査委員による実地調査法人数、入学定員の充足率が改善された法人数、財務情報等の一般公開を行っている学校法人の割合、授業料減免事業の予算額の六点が挙げられている。
 また関連して「家庭の教育費負担の軽減を図ります」とも記載しており、具体的には独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業を充実し、意欲と能力がありながら経済的理由により修学に困難がある学生等約百二十二万人に支援を実施するとしている。参考指標としては「奨学金が受けられなかった場合、修学が困難もしくは不可能な学生の割合」を挙げている。
 また子どもの安全・安心関係では、「私立学校施設の耐震改修について国庫補助の充実を行うとともに、耐震化等に伴う建替え等に対し私立学校振興・共済事業団における低利融資等の実施」を挙げている。
 この日の会合で委員からは、「各地方自治体での教育振興基本計画の策定状況を把握し報告してほしい」「耐震化については財政支援を行い、早急な着工実現を」などの意見が出された。
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