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記事2008年12月3日 2118号 (1面) 
教員の勤務時間管理で私学等から聴取
教職調整額等作業部会
一年単位の変形労働時間制導入
業務効率化、意識改革等が鍵
 中央教育審議会初等中等教育分科会の「学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会」(主査=小川正人・放送大学教授)は十二月一日、文部科学省内で第三回会合を開き、学校法人玉川学園と静岡大学教育学部附属学校園から教員の勤務時間管理について聞き取り調査を行った。同作業部会は今後の学校の在り方、教職員の職務の在り方、教員の勤務時間管理、勤務時間の弾力化、教職調整額の見直しについて専門的な調査・検討を進めている。今回、報告を行ったのは同作業部会委員でもある石塚清章・玉川学園中学部長。玉川学園では、学園内で入試事務などが集中する大学の職員に働きすぎによる健康被害が発生したことをきっかけに四年前から勤務時間管理に積極的に取り組むようになり、ICチップ入りIDカードで勤務時間の把握に努めるとともに、一年単位の変形労働時間制を採用、超過勤務の命令方法、超過勤務命令内容を明確化する中で、教員に仕事の計画性や効率性が求められるようになり、不用意な残業が減少したという。また仕事の持ち帰りは個人情報保護の観点から原則禁止。コンピュータを活用しての迅速で明確な時間管理では教員間の校務の平準化や健康管理指導がしやすくなったとしたが、教員は元々生徒に手をかければかけるほど伸びると考えることから、決められた時間内での計画性や効率化、チームワークへの意識改革の必要性などを指摘した。
 一方、静岡大学教育学部附属学校園に関しては、塩川亮・教育学部教授・附属学校園統括長が報告したが、研究熱心から深夜まで勤務する教員もあり、時間外勤務については教員の自主的な取り組みとされてきたが、一年単位の変形労働時間制を採用、下校時間前でも会議を行うなど業務の効率化で時間外勤務の縮減を図り、年間を通しての調整を行っているという。そのため教員は以前より長期休暇が取りやすくなったという。私立、国立二校の取り組みでは大規模学校法人だからできる面や国立学校(行事らしい行事がない、部活動は下校時間まで)という特殊な条件を考慮する必要がありそうだ。
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