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記事2008年12月23日 2121号 (2面)
文部科学省の「高等学校の看護教育に関する検討会」(座長=中島紀恵子・前新潟県立看護大学長)がまとめた「報告書」が十二月十七日に公表された。この検討会は、高校における看護教育の現状と成果について調査・検証を行うとともに、教育充実のための課題の検討などを進めてきた。 特に高校三年間と専攻科二年間を組み合わせて看護師を養成する五年一貫課程が平成十四年四月に始まったことからその評価や課題への対応策等が中心となって検討されてきた。五年一貫課程は、高い国家試験合格率、低い離職率など大きな成果を挙げているものの、看護教員や臨地実習施設の確保などの課題を抱え、学校や教員の負担が増大している。そうしたことから、報告書では実習施設確保のためのコーディネーターの配置など学校への支援体制の構築、大学における看護教員養成ルートの拡大、地方自治体による特別免許状制度の一層の活用等が期待されるなどとしている。 今後の展望・検討課題については、看護高校の卒業生が大学教育を受けることができるよう推薦枠や特別選抜の拡大、高校専攻科の学習内容に対する大学による単位付与や専攻科卒業生の大学への編入学が可能かどうかを専攻科の位置づけや国際的な通用性も勘案して検討が必要としている。 また専攻科卒業生への称号付与、五年一貫課程の高専化も検討課題としている。さらに高校の准看護師課程に関しては、五年一貫課程への移行について時宜を得た形での検討などが考えられる、としている。 高校の看護教育など、これからの職業教育に関しては、改正教育基本法で職業教育に関する規定が新たに盛り込まれたことなどから、十二月二十四日の中央教育審議会総会で文部科学大臣から新たな諮問がされる予定で、今後、看護教育に関する制度改正が行われる可能性もある。 |
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