こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2008年12月13日号二ュース >> VIEW

記事2008年12月13日 2120号 (3面) 
国際数学・理科教育動向調査2007の結果公表
国際的に上位を維持
小学生の理科好き増加
中学生は依然低い水準
文部科学省は十二月十日、国立教育政策研究所が参加した国際教育到達度評価学会(IEA)の「国際数学・理科教育動向調査の二〇〇七年調査(略称TIMSS2007)結果の概要を公表した。
 我が国では小学校四年生と中学校二年生を対象に昨年三月に実施されたが、調査結果によると、小学校の調査に参加した三十六か国中、小学生の算数と理科は四位、中学生の調査に参加した四十八か国中、中学生の数学は五位(四位の香港と有意差なし)、理科は三位(二位の台湾と有意差なし)で、前回(二〇〇三年)の調査と比べ、参加国数が増加したが、国際的に見て上位を維持している、平均得点はすべて前回以上、としている。
 しかし勉強(算数、理科)が楽しいと思う割合は、前回調査と比べ小学生では増加傾向がみられ、特に理科では国際平均を上回ったが、中学生は数学、理科ともに国際的に見て低く、希望の職業に就くために良い成績を取ろうと思う中学生は国際的に見て依然少ないことなどが明らかになった。また宿題をする時間は依然として短く、テレビ・ビデオを見る時間が長く、家事手伝いの時間も短いことが分かった。
 算数・数学、理科ともシンガポール、台湾、香港が上位を占めている。
 算数・数学で最高得点ランクを獲得した小学生、中学生の割合は、国際的に見て四位、五位。また理科では、小学生が九位、中学生が三位で、小学生で理科の問題で高得点を獲得する層は国際的に見て少ないといえそうだ。
 宿題をする平均時間は我が国の小学生が一日一・一時間(国際平均は一・四時間)、中学生が一・〇時間(同一・六時間)。インターネットを使う時間は小学生で〇・五時間、中学生で〇・八時間、いずれも国際平均を下回っていた。ちなみPISA調査で学力の高いフィンランドはこのTIMSSには参加していない。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞