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全私学新聞

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記事2008年11月3日 2114号 (1面) 
全審連 札幌で総会、近藤新会長選出
少子化時代の高校新設など課題
大規模大学法人の系列校化も

近藤全審連会長

全国私立学校審議会連合会は十月三十・三十一日、札幌市内のホテルで第六十三回総会を開き、各都道府県の私学行政が抱える課題等について専門部会での情報交換、協議等を行った。専門部会に先立ち行われた報告・協議では酒井A会長の退任に伴う役員改選が行われ、近藤彰郎運営理事(八雲学園中学高校理事長・校長、東京都私立学校審議会長)が平成二十・二十一年度会長に選出された。
 専門部会のうち、小・中・高校に関係する問題が協議された専門部会では、少子化による就学人口の減少が続く中で、高校(全日制課程)や中等教育学校の新設、収容定員の増員申請の取り扱いなどが協議された。
 同連合会の事前調査では、平成十年度以降、高校で二十四校、中等教育学校では十三の設置認可が、また高校と中等教育学校を合わせ百三校の収容定員の増員が認められていることが分かった。具体的な抑制規定はないものの、公立高校の統廃合や収容定員の減少に合わせて、私立高校にも同様な対応が求められている。しかし私立高校の新設や定員増の抑制は自由競争を阻害し、規制緩和に逆行するとの指摘もある。また高校教育の機会均等と学校の適正配置及び規模については、事前調査の結果、ほとんどの県で公私立高校協議会などで中長期的な視野に立った公私立高校の適正配置計画などが策定され、各県の安定的な教育活動の実現に寄与していた。公私間での生徒収容計画の取り決めは、規制緩和の観点から各学校間の自由競争を阻害するとの指摘もあるが、教育分野で市場原理主義を過度に進めることは弊害の方が大きくなる恐れもあり慎重な議論が必要であることを確認。また近年、一部の著名大学による全国各地での高校の系列化・新設の動きが顕著になり、私立学校審議会による審議・認可以前にマスコミ報道や知事の見解表明などが先行し、各地で混乱を生じていることから、事実関係を調査し、その結果、手続きなどに不備などがあった場合は私学審議会として主張すべきことは主張していくことも確認した。このほか長期休校中の学校の取り扱いに関しては、対応方針が定まっている県は九県に過ぎず、残りの自治体は対応が未定で、また学校設置認可後の状況について十五県では確認が行われていないことなどが事前調査で明らかになった。これら協議内容は運営理事会で文章化し、部会長の了解を得たのち、必要な場合に国や都道府県に陳情することを決めた。(後日詳報)
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