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記事2008年11月13日 2116号 (1面) 
教職調整額見直し作業部会が初会合
来年3月に中間報告
私立学校に大きな影響も
 中央教育審議会初等中等教育分科会に新しく設置された「学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会」の初会合が十一月四日、文部科学省内で開かれた。この作業部会は、十月十五日の中教審初等中等教育分科会で金森越哉・初等中等教育局長から検討を要請された、(1)今後の学校の在り方(2)教職員の職務の在り方(3)教員の勤務時間管理(4)勤務時間の弾力化(5)教職調整額の見直しの五点について専門的な調査・検討を行うもの。
 公立学校の問題とはいえ、学校や教員の役割、教員の働き方など教育の基本に係わる問題で、また「教職調整額」の問題は私学経営にも大きな影響を与える問題だけに私立学校関係者の大きな注目を集めそうだ。委員は十七人、主査は小川正人・放送大学教授で、私立学校関係者としては石塚清章・玉川学園中学部長が参加している。
 同作業部会は来年三月に中間報告を取りまとめる予定。その後、関係団体からの意見聴取などをへて、審議結果は来年夏、中教審の答申としてとりまとめられる予定。
 教職調整額をめぐっては、今年九月八日に同省の「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」が審議のまとめを公表しているが、教員の勤務時間管理に関しては、適切な管理とそのための体制の整備の必要性、超勤四項目の見直し、メリハリのある給与体系の構築などを、また教職調整額に関しては、残業時間の縮減につなげる仕組み作りや一年単位の変形労働時間制の導入の可否などの検討の必要性を提言していた。
 こうした問題は学校や教員の基本的在り方に係わる問題のため、中教審での幅広い議論が必要としていた。
 今後は、年内に三回程度の作業部会を開き検討課題に沿って議論が進められる。そのうち教職員の職務の在り方に関しては、教職員の適切な役割分担、専門的・支援的職員の配置、外部人材の活用、学校業務の効率化・ITC化などを、教員の勤務時間管理に関しては、勤務時間管理の方法、残業時間を縮減するための方策、勤務時間の弾力化に関しては長期休業中の業務の在り方などを、教職調整額の見直しに関しては、教職調整額制度創設時と現在を比べて教員の働き方にどのような変化がみられるか、などを検討していく。
 十月十五日の中教審初等中等教育分科会では、この問題が話し合われ、「教員の負担を軽減し、勤務実態に見合った給与を支給すべき」「教職調整額を一律に増やせるような財政状況にない中で、先生に勤務実態と頑張りに見合った給与制度をどのように構築していくかを考える必要がある」などの意見が出された。
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