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記事2008年11月13日 2116号 (2面) 
21年度医学部入学定員は過去最大に
地域医療等充実へ693人増員
地域入学枠や奨学金など創設
 文部科学省は十一月四日国公私立大学の平成二十一年度医学部入学定員の増員計画を公表した。それによると来年度は国公私立七十七大学が合計六百九十三人の増員を行い、入学定員は合わせて過去最大の八千四百八十六人となる予定。私立大学は十二月中に文部科学大臣から定員増の認可が下りる見通し。
 医学部入学定員の増加は、地域医療の現場や、小児科・産科など医師不足が深刻な診療科を担う医師養成の充実を目的にしたもので、昨年の「緊急医師確保対策」による増員に、今年の政府の「骨太の方針二〇〇八」を踏まえて入学定員の増員のための認可申請期限の特例による措置。
 増員後の入学定員は国立大学が四千五百二十八人、公立大学が七百八十七人、私立大学が三千百七十一人となる。今回の増員は医師不足が深刻な地域や診療科解消に向けた措置のため、すべての医学部生が地域医療に関して学び、実際に地域医療機関で体験・実習を行う。また医師が確実に地域に定着し地域医療に貢献するような取り組みを行う。さらに多くの大学で学部段階から参加・小児科等の教育内容を強化する。
 具体的には、例えば岩手医科大学では全診療科の医師の絶対数が不足している北東北の医療崩壊を防ぐため、勤務医でも受講可能な社会人大学院制度の整備などを通して医師養成と定着を目指す。順天堂大学では附属病院を開設する埼玉県等で医師確保のための地域枠を創設、地域医療へ強い意欲を持った医師の確保を目指す。
 東邦大学ではへき地を含む医師不足地域への医師供給・派遣については、全員一年以上の派遣等を推進するプログラムを目指す。
 大阪医科大学では大学と教育関連病院との連携による内科、外科、産婦人科、小児科、救急・麻酔科の集中的な実習プログラムなどを設置、これらの診療科を希望する学部学生(合計十人)に奨学金を支給する。
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