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記事2008年10月13日 2112号 (1面) 
大学における教育課程の共同実施制度創設
複数大学で教育機能等強化
告ャ大学連名の学位授与
 中央教育審議会大学審議会は九月二十五日に塩谷立・文部科学大臣から諮問のあった「大学における教育課程の共同実施制度」を可能とする大学設置基準の改正を是とする答申を、十月六日、文科相に提出した。この制度は、国際的な大学間競争が進展する中で、複数の大学がそれぞれ優位な研究資源を持ち寄り、共同でより魅力的で優れた教育研究や人材育成を実現するための仕組み。
 同省では今月中に大学、大学院、短大、専門職大学院の各設置基準等を改正し、来年三月一日に施行、認可申請等の手続きを経て、平成二十二年四月に共同学科・学部等の開設を行う予定。
 「大学における教育課程の共同実施制度」の主なポイントは次の通り。
 共同教育課程を編成する構成大学はそれぞれ学科等の実施組織(共同学科等)を設置。構成大学は、一つの大学が開設する授業科目をその他の大学の教育課程の一部とみなして同一の内容の教育課程(共同教育課程)を編成する。いずれの大学も主要授業科目を必修科目として開講し、共同教育課程のみ実施することは認められず、他に通常の学科が存在していることが必要。学生はそれぞれの構成大学において当該共同教育課程の開設した授業科目の単位をそれぞれ一定数以上取得しなければならない。例えば学部(医学・歯学を除く)では三十一単位、大学院(修士・博士、専門職)で十単位以上など。
 共同学科等の課程を修了した者に構成大学連名の学位(共同学位)が授与される。学生には構成大学連名の学生証が発行される。学生の本籍大学は学生の意向に基づき調整されるが、構成大学間で協議・決定する。法的には共同学位を授与することから学生は全ての構成大学に重複在籍との整理。各共同学科の校地・校舎面積は全体の収容定員に応じて算定される合計面積を各共同学科の収容定員の割合に応じて按分される。ただし構成大学全体として十分な校地・校舎面積があり、教育研究に支障がない場合は、按分された面積を保有する必要はない。
 各共同学科の教員については、いずれかの構成大学に所属し、各共同学科等に必要な専任教員数の数は、各共同学科等を一つの学部等とみなし、全体の収容定員に応じて算定される合計専任教員数を算定し、合計専任教員数を各共同学科等の収容定員の割合に応じて按分する(大学別専任教員数)。ただし大学別専任教員数が分野ごとに現行の設置基準で考えられ得る最小の教員数(最小専任教員数)に満たないときは、専任教員の数を最小専任教員数とする。大学院には一定の範囲内で共同を組む共同専攻間で教員の兼務が認められる。
 共同学科等に係る入試日程・科目・入学金・授業料等の取り扱いは構成大学間で協議し決める。
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