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記事2008年1月3日 2087号 (2面) 
専門学校の第三者評価始まる
私立専門学校等評価研究機構
47項目で可否判断
評価者に業界関係者も
 特定非営利活動法人の私立専門学校等評価研究機構(市川正理事長=元東京都教育長)は昨年十二月、八校の専門学校を対象に第三者評価事業を本格的に開始した。三月に初の評価結果を公表する。同評価研究機構には都内の専門学校を中心に百九校が加盟しており、加盟校は五年以内に第三者評価を受けることになっている。現在のところ、専門学校には、第三者評価を受けなければならない法制上の規定はないが、同機構は専門学校に関して教育の質・水準の明確化、社会的認知の向上、学校選択の利便性提供などの観点から重要と判断。平成十六年九月の発足以降、自己点検・評価の実施、第三者評価モデル事業の試行等をへて、今年度から第三者評価を本格実施したもの。
 同研究機構による第三者評価は大学・短大等の第三者評価とは少し異なっており、(1)法令・設置基準をクリアしているか(2)一般に高等教育に求められる事項や水準を満たしているか、のほかに、(3)学校・学科に対応する専門分野の業界・職種における人材要件(知識・技術、人間性等)に基づく教育であるか、が評価の特徴的なポイントとなっている。そのため評価を受ける学校ごとに設置される「評価担当部会」は専門学校関係者二人、専門家・識者一人、会計士一人に加えて業界関係者二人が参加する構成。
 第三者評価の基礎資料となるのは、評価基準項目にそって学校側がまとめる自己評価報告書で、評価担当部会が自己評価報告書の精査、ヒアリング調査、訪問調査等を行い、評価原案を作成、「第三者委員会」に提出する。同委員会は評価の妥当性等を検討、同機構としての第一次評価を確定、学校に通知する。評価に異議がある場合は同機構に異議申し立てが行われ、「審査会」で最終評価が確定する。最終評価は学校に通知され、公表が義務付けられる。
 評価基準項目は教育理念・目的・育成人材像等や教育活動、学生支援、教育環境など十の基準項目(大項目)と四十七の点検項目(中項目)からなっており、最終的な評価報告書では「基準を満たしているか」の判定(可・否)と判断理由のコメントが記載される。大項目、学校全体に関する評価は当面は行わない。ただし大項目について、評価担当部会は総合コメントを付記する。
 例えば大項目の教育成果には「就職に関する目標を達成したか」「卒業生・在校生は社会で活躍し、評価を得ているか」など四項目が設けられており、また大項目の教育活動では、「育成目標に向け授業を行うことのできる要件を備えた教員を確保しているか」など十項目が設けられている。
 評価基準項目は各専門分野に共通するもの。
 同機構では評価者バンクへの業界関係者の参加促進を行いながら、今後、専門分野別評価推進の環境整備を進める計画。また学校全体の評価、大項目レベルでの評価、評価の段階分けについても研究を進めていく。
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