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記事2008年1月3日 2087号 (7面) 
新校長インタビュー (154) ―― 安田学園中学・高等学校
校長 鈴木 行二氏
基礎学力向上と人間力養成
学校運営の基本はクラス運営


 企業出身の鈴木行二・安田学園中学・高等学校長(東京都墨田区)は昨年一年間、顧問の立場で、学校運営の様子を見てきた。そこで、「学校現場の素晴らしいところをさらに生かしながら、民間の(考え方の)いいところも取り入れて、明確に改革を行っていきたい」と考えている。
 校長就任に当たって、教師として心得ておくべきこととして教職員に示したのは、(1)建学の精神・教育の理念を大切にする(2)学園の伝統を守る(3)学園はだれのために存在するのかを忘れない(4)教育の担い手としての自覚を持つ(5)情報は正しく速やかに収集し、各人の責任の所在を明確にする(6)コンプライアンスの考え方を導入する(7)学園の財政基盤の安定に努める(8)生徒及び保護者や同窓会、塾など外部との対話を重視する――だ。「学校運営の基本はクラス運営にある」と指摘し、現在取り掛かっているのが、クラス運営強化のためのマニュアル作りだ。
 同校では、各種資格試験・検定試験合格のために力を入れている。最近、大学への進学率の向上に併せて、バリューフィールド構想に基づいた満足度の高い授業の実現に向けて、平成十七年より新中高一貫制度をスタートさせた。現在、普通科は特別進学、進学選抜、総合進学の三コース制を軸に進学体制を整えた。
 同校は基礎学力向上とともに、『人間力』(生きるための力)を養うために、冊子 安田学園流生きるための言葉『人間力をつける』(ホップ・ステップ・ジャンプ編の三冊)をこのほど作成し、在校生全員に配った。ホップ編では、生徒からの悩みに答えるという形で、生命、誠実、感謝、家族、友情などについて考え、ステップ編では、先生と二人の生徒が各テーマについて語り合う形式で進んでいく。ジャンプ編では、クイズ風の問いかけに自分なりに考え、親孝行、判断力、戦争、責任、人間関係について学ぶようになっている。来年から、中学一年から高校二年まで朝のホームルームで取り扱う方針だ。
 同校は「実業界にとって有用な人材の育成は社会発展の基礎である」という創立者、安田善次郎氏の信念の下に大正十二年に設立され、今年、創立八十五周年を迎える。鈴木校長は教職員に示した方針の実現のために自らも全力で取り組んでいる。
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