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記事2008年1月3日 2087号 (8面) 
ユニーク教育 (180) ―― 村田女子高等学校
ステキな未来をデザインするキャリアデザインを支援
4月開校小石川女子中学で「サイエンスレディ」の育成

伊藤校長

 「ステキな未来をデザインしよう ―― YES I CAN」
 これが村田女子高等学校(伊藤淑子校長、東京都文京区)のキーワードだ。同校は生徒一人ひとりが、「どんな女性になりたいのか」をイメージし、その実現のために自分を磨く、このキャリアデザインのための支援に力を注いでいる。
 「時代が求める人材、社会に貢献できる人間の育成」を建学の精神に掲げ、創立以来継承している。生徒一人ひとりには夢があり、特性が備わっている。個々の特性を発見し、磨き、夢を実現し、時代に貢献できる人材を育成することこそが、同校の使命だ。その一環としてキャリアデザインは考えられている。
 夢をかなえるためのプログラムは、「夢探し→進路選び→目標設定→知識・技能を磨く(夢をかなえる実力養成)」に対応して、キャリアガイダンス、職業体験、キャリアカウンセリング、実力テスト&カウンセリング、受験対策――という一連の流れを考えている。
 キャリアガイダンスでは、美容師や保育士などの職業人や、卒業生の話を参考にして将来を考える。職業体験では、病院・保育園・企業などの現場を見学し、将来へのイメージを高める。例えば、年末年始には郵便局で、はがき整理の作業を行う。キャリアカウンセリングでは、担任と進路担当教員とカウンセリングを重ね、充分時間をかけて進路を決定する。生徒は一人ひとり一年から三年間の足跡として「進路ノート」を作成し、学力試験の結果、担任のコメント、カウンセリングの内容などを記録する。また、年に三回実力テストを行う。「この実力テストの結果を次の学習に生かせるように、教科ごとにカウンセリングを行います」と小林隆司・進路指導主任は言う。
 キャリアデザインの一環として、「成功体験を積み重ねさせるために生徒に勧めている」(小林主任)のが資格取得だ。英語・漢字・文章能力は当然のことながら、普通科、商業科の生徒を問わず、情報処理、簿記、商業経済、電卓、秘書など多くの分野に挑戦している。
 今年四月、村田学園小石川女子中学校が誕生する。同学園が目指す人材は、「サイエンスレディ」という言葉に凝縮されている。「サイエンスレディ」の条件として、「科学するこころ」「論理的な思考力」「特性を伸ばす」の三つの要素を含ませており、ここには、いかに人間関係を身につけるかというテーマも含まれている。
 また、中学では「コミューンプログラム」(諸富祥彦・明治大学教授協力)を導入する。このプログラムは、(1)「心のふれあいのある友人づくり、学級づくりによる充実した学校生活のサポート」、(2)「さまざまな人間関係スキル(社会的スキル)の獲得」、(3)「キャリア意識の刺激と促進」――を目指す。
 「偏差値を上げるだけの教育を行っていたら、『キャリアデザイン』という考え方はできません。人間を育てるという前提で、生徒一人ひとりの夢を探し、育てる≠ニいう発想が必要だと思います。そのために、全教員がこのような考え方の下にキャリア教育にかかわっています」と小林主任は自信を持って答えた。す」と小林主任は自信を持って答えた。

茶道を通し女性としての教養も学ぶ

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