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記事2007年9月3日 2075号 (2面) 
高校・野球部への進学 少年野球の監督から実情聴取
高野連・特待生問題会議
日本高等学校野球連盟の第三回高校野球・特待生問題有識者会議が八月二十日、都内で開かれ、少年野球の監督らから高校・野球部への進学等について実情を聴取した。この中では、七月二十六日に行われた前回会合で公立中学校関係者から、高校・野球部進学に際して中学校の進路指導教諭を通さないケースがある、受験生に無条件進級無条件卒業を約束する事例があるといった問題が指摘されたが、この日、裏づけとなる話は聞かれなかった。同会議の堀田力座長は、「公開の席で不適切な実態は話しづらい。別の方法で実態を把握したい」と語ったが、次回九月十四日からは意見の集約に向けた審議が行われる予定。また九月二十一日には高体連から意見聴取を行う予定。
 この日、会議に出席したのは、リトルシニア関東連盟所属の監督、日本少年野球連盟専務理事と同連盟所属の監督。このうち二人の監督からは、「少年野球チームと中学校とはまったく接点がない」「中学校と接点を持ちたいが、プライバシー保護の観点から接触を断られている」「県外の私立学校(野球部)に行きたいと進路担当の先生に伝えたら、勝手に自分で調べろと言われた」といった話が聞かれた。また軟式野球の中学校部活は活動が低調で、野球上達を目指す小・中学生は少年野球に参加する、高校進学に際しては少年野球の監督が中学校での成績を勘案して進路相談していることもわかった。中学校と少年野球の監督とは溝が大きいようで、少年野球監督からは「プロ野球のスーパースターや甲子園に憧れる中学生を何らかの形で良い方向に持っていってほしい」との要望も出された。
 この日の会議では、委員のヨーコ・ゼッターランドさんが米国での奨学金事情などを報告した。米国では高校レベルではスポーツ奨学金はなく、大学レベルで初めて設けられているが、一定以上の学業成績が求められ、アマチュア選手には金銭の授受等を厳しく禁じていること、貧困から抜け出すためにプロスポーツを夢見る若者は少なくなく、日本でもそうした状況が考えられる、と語った。また日本高野連事務局からは野球部選手の県外への流出状況や他府県からの流入状況などの現状が報告された。

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