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記事2007年9月23日 2077号 (1面) 
中教審 専攻分野に共通する「学士力」
学習経験と創造的思考力など規定
学士課程教育のあり方について検討してきた中央教育審議会大学分科会の小委員会はこのほど、審議経過の報告書をまとめた。大学が授与する「学士」が最低限保証する能力を「学士力(仮称)」=別掲=とし、具体的な参考指針を示した。
 大学・短期大学への進学率が五割を超え、「大学全入」時代ともいわれるなか、「学士」により証明される能力の中身が問われている。こうした現状をふまえ、小委員会は、各専攻分野に共通する「学士力」として、(1)知識・理解(2)汎用的技能(3)態度・志向性(4)統合的な学習経験と創造的思考力の四項目にわたって規定している。
 また、GPAなどの客観的な基準や学習ポートフォリオの導入などによる成績評価の厳格化を提言。「出口管理」の強化として、卒業認定試験制度の検討を提案している。
 「大学全入」時代を迎え、推薦入試やAO入試など必ずしも学力検査を課さないかたちで入学者選抜が多様化していることから「入口管理」にも言及。入学者選抜は、高校卒業段階で最低限求められる学力水準に達していることが前提であることを確認したうえで、各大学が入学者受け入れ方針を明確化し、選抜方法が必要以上に複雑化し、透明性を損なうことがないよう見直しを求めている。
 「学士力」
 (1)知識・理解 多文化・異文化に関する理解 人類の文化、社会と自然に関する知識の理解
 (2)汎用的技能 コミュニケーション・スキル 数量的スキル 情報リテラシー 論理的思考力 問題解決力
 (3)態度・志向性 自己管理力 チームワーク・リーダーシップ 倫理観 市民としての社会的責任 生涯学習力
 (4)統合的な学習経験と創造的思考力

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