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記事2007年9月13日 2076号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
小学校の授業時数10%増加
週に1コマ「英語」活動新設
代わって「総合学習」を縮減
【教育課程部会】
 中央教育審議会の教育課程部会(部会長=梶田叡一・兵庫教育大学長)は九月十日、都内で開いた部会で小学校の次期学習指導要領の授業時数や新設する英語活動のあり方などを話し合った。
 議論のたたき台となった「審議の概要」の検討素案は、同部会内に設置されている専門部会等で検討された内容を盛り込んだもの。その検討素案については文部科学省が説明したが、小学校の教育課程の基本的な枠組みに関しては、子供がつまずきやすい内容の確実な習得のため、学年間での反復学習等の繰り返し学習や、知識・技能を活用する学習活動(実験・観察やレポートの作成、論述など)を充実するため、小学校第一・二学年では「国語」、「算数」、「体育」を、第三・四学年では「国語」、「算数」、「体育」、「理科」を、第五・六学年では「算数」、「理科」の授業時数を増加し、また第三学年以降は「社会」についても多少、授業時数を増加する。
 これらのために現在の授業時数の約一割(約三百五十単位時間)の増加が必要としているが、指導する内容事項の増加は厳選し、極力増加を抑える方針。厳選の方法等は決まっていない。現在の四十五分授業、年間授業週数三十五週以上は変更しない。また小学校の第五・六学年で英語活動を新設する。その一方で総合的な学習の時間については、教科の中で知識・技能を活用する学習活動が充実することや、現在、総合学習では授業時間の大半が英語活動に使われていることから各学年で週一コマ相当(三十五単位時間)を縮減する。
 英語活動については、英語を中心とする外国語活動(仮称)としており、現在の英語活動の取り組みは学校間で相当なバラつきがあるため、機会均等、中学校との円滑な接続等の観点から、国として各学校が共通に指導する内容を示すことが必要としている。ただし教科のような数値による評価はなじまないため教科とはしない方針。こうした見直しで必要となる年間の授業時数の確保については、教育委員会や各学校に委ねており、増加策としては、児童の実態等を踏まえ、週当たりの授業時数の増加、長期休業日の短縮、朝の十分間等の読書活動やドリル学習の活用など多様な取り組みが考えられるとしている。授業時数の一割増については、授業時数に含めない特別活動(生徒会活動や運動会、入学式等)が大きな比重を占めているとして、増加授業時数の確保はきついとの声が小学校関係の委員から上がった。また英語学習ではスキル的な学習に徹するべきだとの意見も聞かれた。このほか小・中・高校における体育・保健体育、芸術(音楽・図画工作等)の教育内容などが検討された。

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