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記事2007年6月23日 2068号 (1面) 
全専各連定例総会 専修学校の一条校化実現へ
新校種創設決める
全国専修学校各種学校総連合会(中込三郎会長=東洋美術学校理事長)は、六月十三日、東京・文京区の東京ガーデンパレスで平成十九年度定例総会等を開き、「新専門学校」「新高等専修学校」(名称はいずれも仮称)制度の創設を求めていく方針を決定した。新しい校種が誕生すれば約四十年ぶりのことになる。
 このうち新専門学校については、文部科学大臣の所管とし、修了者には現在の専門士及び高度専門士とは異なる新たな称号を付与する。設置者の要件は国、地方公共団体、学校法人とし、新専門学校を設置する学校法人の認可基準を新設する。同連合会では、この新専門学校について、職業教育の中核的な高等教育機関として、一条校と同等の位置づけと振興策の実現を目指す。
 同連合会は、大学や高校など学校教育法第一条に規定された、いわゆる一条校との間に生じている様々な制度上の格差を是正するため、専修学校の一条校化運動を組織を上げて推し進めているが、新校種創設は一条校化運動の具体策となるもの。
 これまで同連合会内で検討を重ねた結果、現行の制度のもとで教育を続ける専修学校も出てくることから、新しい校種を創設し、一条校として位置づけることを基本に据え、新校種固有の教育の目的の在り方や、専修学校や他の校種とは異なる独自の設置基準の設定など、実際の制度設計において重要な論点となる事項を整理し、方向性をまとめたものとなっている。
 文部科学省では同連合会内で一条校化の具体的方向性が確定したことを受けて、職業教育の中核を担う新たな校種の創設等を検討する調査研究協力者会議を立ち上げる方針。また協力者会議での検討の結果、新校種の必要性が確認された後、中央教育審議会に諮り、制度設計に向けた答申が得られ次第、学校教育法等の改正となる見込み。
 六月十三日の総会では同省の加茂川幸夫・生涯学習政策局長がこの提案に触れ、量的拡大・社会的な評価を獲得した段階を過ぎた専修学校が質的パラダイム転換を図るのはごく自然な流れとした上で、「一条校全般に関わるので、(新校種の設立は)簡単ではないが、次の段階に議論を進めていきたい」と語っている。
 同連合会内で行われた新専門学校、新高等専修学校構想の検討には文部科学省専修学校教育振興室の担当官も参加しており、同連合会でまとめた新校種構想が今後発足する協力者会議の議論のたたき台になる見通し。
 ただし協力者会議やその後の中教審には当然、その他の校種の関係者や学識経験者らが多数参加することから、今後、この新校種構想に対しては様々な議論の展開が予想される。
 総会後の懇談会では、専修学校等振興議員連盟会長の町村信孝・元文部科学大臣も「できるだけ早く法改正を行い、折角、六十年ぶりに教育基本法を改正したのだから、これ以上のタイミングがない中で一条校化を実現したい」と新校種創設に積極的な姿勢を見せた。
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