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記事2007年6月13日 2067号 (1面) 
中教審・基本計画特別部会 中間報告6月以降に
安西委員が国公私間財政支援格差是正要望
中央教育審議会の教育振興基本計画特別部会(部会長=三村明夫・新日本製鐵代表取締役社長)の第六回部会が六月十一日、都内で開かれた。田村哲夫副部会長を主査に中教審の各分科会長ら十二人で構成する作業グループが先月三回の会合で検討した内容として、「これまでの意見概要案」が提示されたが、現在策定を進めている振興基本計画は、改正教育基本法に教育振興基本計画の策定が規定されて以降、初めての計画となることから、しっかりした内容で、財政当局や国民の理解を得られるものにしなくてはならないことから、六月中に審議の中間的な取りまとめを公表する、とのスケジュールを遅らせて、もう少し時間をかけ議論を深めていきたい、との意向が三村部会長、田村副部会長から説明され、承認された。三村部会長は、また先に公表された教育再生会議の第二次報告に関して、参考となるものは中教審も取り入れるべきだと語った。「意見概要案」には、信頼される学校教育関係の中で「私学の振興」の項目も取り上げられており、「私学の振興について、教育基本法に明記されたことを重視すべきだ」など三つの意見が掲載されている。
 この日の審議では、全私学連合代表を務める安西祐一郎・大学分科会長(慶應義塾長)が、我が国の発展には、多くの人が多様な力、知的な力を発揮していくことが重要で、ある大学をトップとしたピラミッド型の高等教育ではなく、八ヶ岳型の構造が必要なこと、高等教育の七五%を担う私立大学には国立大学の九分の一から十分の一程度の財政支援しか出されていないなど大きな格差があることを指摘、格差解消の検討を求めた。
 このほか委員からは、軽度の発達障害児も含めた特別支援教育充実、専修学校を活用した職業教育の振興、分かる授業のための教育条件の整備、危険校舎の改善、子育てや教育に関する科学的知見を整理して学校に提示すること、海外に出て行く留学生に対する支援充実、高校教育に関する記述の充実、自立支援機能としての図書館の充実などが指摘された。

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