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記事2007年5月23日 2065号 (5面) 
ユニーク教育 (173) ―― 東京女子学院中学・高等学校
コットンローズミュージカル ガラコンサート
感性教育の基礎築く



 東京女子学院中学・高等学校(酒井A理事長・校長)は三月十八日、同校で三回目となる「コットンローズミュージカル ガラコンサート」を開催、四月入学の新入生やその保護者らをはじめ、教職員も鑑賞した。
 同校は昭和十一年「至誠努力」を建学の精神に掲げ創立され、創立時から詩歌の朗詠、礼法、華道などの特設科目に加え、中学では弦楽器の授業をも取り入れ、感性教育の充実を図り、生徒の能力開発に努めている。
 同校の感性教育の基礎は、これら礼法、華道、弦楽の授業で培われているといっていい。礼法、華道など伝統文化の継承は、他者や自然に対する思いやりの心をはぐくんでいる。また、感性教育に力を入れているのは、将来の人格形成の基礎を築く上で重要だという認識に立っている。
 開催に当たって、酒井校長は「このコンサートを、行事のための行事にしたくはありません。日ごろの授業で地道に積み重ねてきたことを発表したいという趣旨で行っているのです。生徒たちは特別に音楽を専攻しているわけではありませんが、素晴らしいものが出来上がっていると思います。一年間努力した成果を発表してほしい」とあいさつした。
 また、発表する生徒は「週一回一時間、弦楽器の練習をしてきました。演奏する楽しさが分かってきました。英語の授業改革は五年目を迎え、総合的な教育の成果を発表できると思います。授業を積み重ねて、練習してきました」と力強くあいさつした。
 この日は、中学生全員による「おもちゃのシンフォニー」(作曲=L.MOZART)の演奏からはじまり、映画「THE SOUND OF MUSIC」(作詞=Oscar Hammerstein U、作曲=Richard Rodgers、編曲=前田昌利・同校弦楽器講師)の合唱、演奏が行われた。
 行われた演奏、歌唱、合唱は次の通り。指揮は前田講師。
 ▽「おもちゃのシンフォニー」(演奏=中学生全員)▽「サウンド・オブ・ミュージック」(歌唱=新井田さゆりさん・平成十四年度卒・東京音楽大学四年)▽「私のお気に入り」(合唱=高校一・三年生有志、池上由希子さん・十七年度卒・国立音楽大学一年)▽「ドレミの歌」(合唱=高校一・三年生有志、新井田さん)▽「ひとりぼっちの羊飼い」(合唱=高校一・二年生、三年生有志)▽「エーデルワイス」(合唱=高校一・二年生、三年生有志、OG)▽「すべての山に登れ」(合唱=高校一・二年生、三年生有志、OG、演奏=中学生全員、高校一年生有志)
 生徒たちは、緊張しながらも、演奏・合唱した後は、満足そうな表情をしていた。保護者らは、熱心に聴き入っており、生徒らに惜しみない拍手を送っていた。
 同校は英語教育の改革も進み、他教科との連携も進み、「論理的思考」と「表現力」を軸とした知性を磨く教育改革を進めている。
 生徒と教職員が一体となって、力を結集して完成させたコンサート。これによって、生徒たちは自信を持つきっかけになっている。同校は年間を通して教育を充実させ、生徒は夢の実現に向かって進んでいる。



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