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記事2007年5月23日 2065号 (1面) 
文科省調べ 81%の大学がFD実施
学生の授業評価で改革47%
文部科学省はこのほど、平成十七年度における大学の教育内容等に関わる改革状況を公表した。
 それによると教員や授業内容、学生の質向上に向けた取り組みは年を追うごとに拡大しており、大学にとって喫緊の課題であることを物語っている。この調査は昨年十一月から十二月にかけて国公私立の全大学七百十三校(通信制大学、短期大学を除く、放送大学を含む)を調査したもの。回答率は一〇〇%。
 このうちFD(ファカルティ・ディベロップメント)に関して、実施している大学は年々増加しており、十七年度時点では全大学の八一%(五百七十五校)で実施されていた。FDとは教員が授業内容・方法を改善し、向上させるための組織的な取り組みの総称。十七における具体的取り組みとしては、「講演会の開催」が最も多く三百五十九校、次いで「センター以外の学内組織の設置」(二百七十三校)、「授業検討会の開催」(二百七十校)、「新任教員以外のための研修会」(二百六十七校)、「教員相互の授業参観」(二百二十九校)等が上位を占めた。
 学生による授業評価を改革に組織的に反映させていたのは、全大学の四七%の三百三十五大学で、そのうち私立大学の実施率は四八%だった。立教大学では、学生による授業アンケート結果を活用して「Rikkyo授業ハンドブック」を作成、全教員に配布。岩手医科大学では評価結果が上位の教員の授業を公開又はビデオ撮影し、他教員の参考としている。
 一方、学生の単位の過剰登録を防ぐため、履修登録できる単位に上限を設けている大学も年々増加しており、実施校は四百三十三校(六二%)。また厳格な成績評価のために「GPA」制度を導入していた大学は二百四十八校(三五%)だった。GPA制度とは授業科目ごとの成績評価を、例えば五段階で評価し、それぞれにポイントを付与し、単位当たりの平均を出してその一定水準以上を卒業等の要件とする制度。GPAを導入している大学では、「奨学金や授業料免除対象者の選定基準」や「学生に対する個別学修指導」に活用する大学が群を抜いて多かった。
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