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記事2007年3月23日 2060号 (1面) 
大学分科会制度・教育部会も初会合
学士課程教育等を検討
夏前までに一定のまとめ策定
中央教育審議会大学分科会の制度・教育部会の第一回会合が三月十四日、都内で開かれ、部会長に郷通子・お茶の水女子大学長を選出したほか、学士課程教育のあり方や大学等設置基準、質保証システムの検討を急ぎ進め、夏前までに一定のまとめを策定することを決めた。制度・教育部会は第三期の制度部会と大学教育部会を統合した部会。このうち学士課程教育に関しては、部会内に小委員会を設置して、専門的な調査審議を行う。四月六日には第一回小委員会を開催する。
 学士課程教育に関しては、第三期中教審では、高等教育の規模の拡大に伴い、教育の多様化と質の関係、「出口管理」の強化、経済社会からの需要とマッチング、教育課程や履修指導が学習成果の観点から見て体系性、順次性を欠いているのではないか、教養教育・専門教育というような区分にかかわらず四年一貫した学士課程教育の構築を目指すべきではないか、選抜方法の多様化、特に推薦入試・AO入試の普及拡大をどのように評価するか、ファカルティ・ディベロップメント(FD)は多くの大学に普及したが、必ずしも実効が上がっていないのではないか、その原因、問題点、改善策は――などが課題として指摘されていた。また設置基準に関しては、FD実施の義務化、授業計画(シラバス)の作成及び成績評価基準の明示の義務化、学部等の人材養成の目的その他の教育研究上の制定及び公表の義務化などが第三期では、検討事項案とされていた。また今後、質保証の観点などから、専任教員、実務家教員等の要件及び審査等のあり方、施設・設備規定のあり方、通信制規定のあり方などについて検討が必要としていた。この日の部会では委員から、「学部教育が流行に流されつつある」、「文部科学省は大学入試改革に本格的に取り組んでほしい」「学位である学士のカッコ書きの分野が数百にもなる。見直しが必要だ」「(多様性と標準性の調和に関しては)大学の特色や多様性が失われないよう議論してほしい。多様性は簡単に失われる」などの意見が出された。
 大学教育等に関しては、政府内でも、教育再生会議、経済財制諮問会議、規制改革会議、成長力底上げ戦略構想チーム、イノベーション25戦略会議など様々な諮問機関がそれぞれの視点から検討を進めているが、中教審は中教審のスタンスで検討を進めていく。

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