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記事2007年3月13日 2059号 (6面) 
公立中高一貫校の動向と今後の傾向
昨年より応募者減少
今春開校二校は20倍以上の倍率
昨年開校した都立一貫校の一般枠の応募者数を見ると、小石川中等教育学校は応募者数が一、四三三人(倍率八・九六倍)で昨年より四七〇人減少し、同じく両国高等学校附属は一、一六五人(同九・七一倍)で同一三〇人の減少、桜修館中等教育学校は一、二〇六人(同七・五三倍)で同三三〇人の減少、千代田区立九段中等教育学校は一、一〇六人(同六・九一倍)となっている。一昨年開校した白鴎高校附属は一、一五一人(同七・一九倍)で二五〇人の増加、ただし募集初年度は二千人以上の応募があったことから考えると、今後、公立一貫校の応募者も一千人前後に落ち着くのではないかとみられる。
 今春開校する千葉市立稲毛高校附属は応募者一、六三三人(同二〇・四倍)、さいたま市立浦和は二、〇一七人(同二五・二倍)となった。
 二〇〇八年度には、立川地区に都立の国際中等教育学校(仮称、母体は都立北多摩高校)が、武蔵野地区に理系の中高一貫六年制学校(母体は都立武蔵高校)が開設される予定だ。
 二〇〇九年には神奈川の平塚方面と相模原方面に県立の中等教育学校が一校ずつ、二〇一〇年には都立中高一貫校が中野地区、練馬地区、八王子地区、三鷹地区に開校予定となっている。
 この影響がどのように出るのか、昨年、今年は相乗効果で首都圏の私学は全体的に応募が増えたが、さらに公立一貫校が増えたとき、どのような流れになるのか、予測は難しい。
 日能研進学情報室の井上修室長は、「今年は、小学校卒業者増と公立一貫校との相乗効果で私立の受験者も増えた。人気が高かったのは大学付属系と、キャリア教育をしっかりしている女子校だった。女子校では英語教育に力を入れているところが多かったが、プラス理科教育をしっかりやるところが注目されている。実績が伴っていて、学校説明会でしっかりビジョンを出せるかどうかが人気に大きく影響する。今後、新路線が開通するたびに通学範囲が拡大するので、学校側としてはアクセスの説明を保護者にきちんと説明することも重要だ」と話している。

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