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記事2007年3月13日 2059号 (6面) 
ユニーク教育 (170) ―― 名古屋女子大学中学・高等学校
「親切」を学園訓に
独自性・特色ある教育システム誕生

鈴木校長

名古屋市・瑞穂区の閑静な住宅地にある越原学園 名古屋女子大学中学・高等学校(鈴木文悟校長)は、「親切」を学園訓に掲げ、大正四年、越原和・春子夫妻によって創立された。創立者はこの学園訓について「広義のヒューマニティであり、狭義の友愛であり、学問への情熱と研鑽であります」と述べている。この言葉には、よき妻であり、優しい母であり、そして、力強い職能人である、理想の新しい日本の女性を育てたいという願いが込められている。
 この学園訓の精神に基づいて、「知、徳、体の各方面にわたっての愛情にみち、しかも厳しい鍛錬」を日常の教育目標に掲げている。学校改革も順調に進み、高校では「人間らしさを育む女子教育」「独自性・特色のある教育システム」「いっしょに努力」「どこまでも親切」「計画性をもった教育システム」――の五つの指針をつくりあげた。
 「独自性・特色のある教育システム」として、「特別進学・ハイクオリティーコース」(BT類)、「高大一貫・ホリスティックコース」(BU類)、「国際言語・バイリンガルコース」(BV類)――この注目すべき三コースを誕生させた。
 このうち、「バイリンガルコース」は、「使える外国語を習得すること」を目的に置いたコースで、実用的な英語教育を展開している。このコースの取り組み「国際理解教育に対応したバイリンガルコースの創造〜文化をキーワードにした外国語の習得を目指して〜」が、平成十七年度の文部科学省の教育改革推進モデル事業に指定されている。
 このコースでは、朝のショート・タイムのあいさつや会話を英語で行い、教室の掲示物もすべて英語で表記されている。また、同校が独自に設けた科目「英語表現」では実践的な英語力を養うようにしている。
 留学制度は充実しており、カナダ・トロントのバリエにある公立高校へ生徒全員が三か月間留学する。この機会を利用して、第二外国語としてフランス語も学ぶことができるように工夫している。
 さらに日本の伝統的な文化を重視しているのが特徴で、華道、茶道、書道、日本舞踊といった伝統文化を、正課の「総合的な学習」に取り入れている。これらを指導するのは、家元や師範など一流講師陣で、日本文化の心を体感できる。
 また、国際理解を深める教育の一環として、国際交流を活発に行っている。オーストラリア・キャンベラやシドニーの交流校で三週間にわたって行われるホームステイ研修や、ハワイの交流校では二週間の夏期セミナーを実施し人気がある。冬期には交換留学生も受け入れている。一年間の長期留学について、現地校での単位認定が同校の進級認定として認められている制度もある。
 平成十九年三月には本館新校舎が完成する。新校舎は「親切」で過ごしやすい環境で設計されており、自然光が十分降り注ぐ明るい教室が生徒たちを迎え入れようとしている。
 在籍する中高生全員のアンケートをもとに新一年生から制服のデザインも一新した。


3月完成の明るい教室(完成イメージ)

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