慶應義塾は、横浜市内の学校予定地において、平成二十三年四月に小中一貫の初等中等教育校を開設することをこのほど発表した。
　一昨年に策定された創立一五〇周年記念事業の中に「新しい初等中等教育校の設置」を盛り込んでいたのを受けて、横浜市が青葉区内に保有する約五�fの公益用地を学校用途に限定して活用する事業を公募したのに対して応募していたもの。他の二つの学校法人からの応募と競合していたところ、慶應義塾が事業予定者として採択された。
　予定地は東急田園都市線江田駅近傍にあり、青葉区あざみ野南（約三・八�f）に三階建ての校舎と体育館、グラウンドを、少し離れた青葉区荏田北（約一・二�f）に第二グラウンドを建設する。入学定員は百四十四人(男女共学)で、小中の九学年を合計すると収容定員は千二百九十六人。
　横浜市の公募審査委員会では、慶應義塾からの提案に対し、事業計画の妥当性、地域貢献策、建築計画全体について、高い評価を与えた。他の応募提案については、一件は地域貢献策が建物の地域開放にとどまり、学校としての地域への発信、地域との共生に弱点があると評価され、もう一件は、既存の学校施設の一部となるスポーツ施設として活用するという内容だったため、地域貢献の内容が限定的になるとの評価を受けた。