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記事2007年11月3日 2081号 (7面) 
新校長インタビュー (150) ―― 保善高等学校
校長 関口 榮司氏
自己が自己を育てていく
ヤル気の学習指導で進学率上昇
「ヤル気、あります。ぼくらの保善高等学校」
 この言葉には、保善高等学校(関口榮司校長、東京都新宿区)の生徒・教職員全員の思いである「自己が自己を育てていく」という意味が込められている。
 「われわれは、明確な目的意識が重要なことを経験的に分かっています。この目的意識の『意』という文字は、『音』の下に『心』が隠れています。その心が表に出ようとするとき、上の音なき音を押し退けて自分の音を発することになります。これが自分の声であり意志なのです。それは、本校の教育活動を強力に進める源泉になっているのです」と関口校長は熱く語った。
 それは「実学尊重・報本反始・剛健質実・初志貫徹」という建学の精神に裏打ちされているといっていい。同校は特別進学クラスと大学進学クラスを設置しているが、ヤル気の学習指導は、四年制大学への現役進学率(二〇〇七年卒業生)が七八%という結果につながった。特別進学クラスは、国公立大学・難関私立大学への合格を目指している。大学進学クラスは、中堅以上の私立大学への現役合格を目指す。来年度から特別進学クラスも大幅に増員を図るという。
 「〇八〇〇朝学習」「放課後個別指導」に大多数の生徒が参加、定期試験の後の「大学模擬試験」で実力確認、長期休業中の希望制「時季講習」を八〇%が受講するなど、前向きな取り組みが功を奏している。また運動においても、陸上競技で百・二百bを全国制覇するなど「スポーツ保善」の伝統は健在である。
 埼玉大学教育学部の指導講師でもある関口校長は、教職課程の講義の中で、「気づくこと・感動すること・行動すること」の重要性を指摘している。そのことは同校が目指す教育の原点であり、「気づき・感動・行動」の成立こそ感性教育なのです、と強調された。
 「生徒と教職員が学ぶ目的を理解し、ともに人生を生きる歓びを発見して、学校全体が知的好奇心で満ちあふれているような学校づくりを全教職員一丸となってまい進できればと願っています」
 そのためには、関口校長自身も、「人生を生き抜く厳しさや楽しさと常に向上心を持ち続けられる人間でなければならないと思っています」と決意を新たにしている。 
 関口校長の専門は国語。八年間教頭の後に校長に就任した。
 同校の学校案内には、『ヤル気、あります。ぼくらの保善高等学校』の表題とともに入学時に抱いた目標や決意の一端がすべての生徒名とともに刻まれている。その目標に向かってまい進できたか否かは卒業時に確認されるのである。同校の生徒に対する願いが現れている。

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