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記事2007年11月23日 2083号 (1面) 
教育団体等の意見書受け 文科省が更新制の疑問等に回答
修了認定試験 講習開設者の判断
中教審WGに報告5段階評価はあくまで一例
中央教育審議会の教員養成部会教員免許更新制等ワーキンググループ(WG)の第二回会合が十一月二十日、都内で開かれ、文部科学省は教育関係団体から同WGに寄せられた更新制運用に関する意見や疑問等に関する回答を明らかにした。このうち私学団体が要望した校長が勤務実績良好と認めた教員の更新講習免除については、今回は認めていないと回答。しかし私学団体による優秀教員表彰者は表彰制度が一定の要件を満たしていれば免除について検討の意向を明らかにした。教育団体から要望の強い免許更新費用の国による負担軽減措置については検討していきたいと回答した。

 教員養成部会が十月五日にまとめた「教員免許更新制の運用についての検討経過」に関して同WGがこのほど行った意見募集では、私学五団体を含む二十二の教育関係団体が意見書を提出した。私学関係で意見を提出したのは、日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会、日本私立中学高等学校連合会、日本私立小学校連合会、全日本私立幼稚園連合会。
 このうち日本私立大学団体連合会が、「検討経過」の中で示された修了認定の基準(五段階の評価基準)について、「講習は免許状の有効期限の更新の可否を問うもので、段階評価とは相容れない」と指摘したことに、同省は修了認定試験の実施方法は、講習の開設者が講習内容に沿って判断すべき事項で、大学が具体的に理解しやすいよう提示しただけに過ぎず、修了認定自体を五段階に分けて行うことを意図したものではないと説明。同省教職員課の大木高仁課長は五段階評価が一人歩きしていることを懸念、省令では修了認定基準をていねいに書くとした。また大学等の講習開設者の経費負担について十分な補助策の検討を要望しているが、同省では「開設者の体制整備のための財源措置については検討していない」としている。日本私立短期大学協会は、教員免許の有効期限の延長及び修了確認期限の延期に関して、再延長・再延期の検討を要望。同省は「再延長・再延期はあり得るものとして検討する」と回答。また短大の開設する講習に受講対象の限定があるか、各短大が有している教職課程の中から限定的に講習開設が可能かとの問いに関して同省は、「有している認定課程にかかわらず開設することが可能だが、各大学等の能力に見合った講習が開設されることが必要で、講習の認定もその点を確認する。開設する講習は開設者の判断で内容や受講対象者を定めることが可能」としている。
 十一月二十日のWGでは私立大学での更新講習の修了認定で経営面からの判断が働く懸念があるや、私大通信教育の講習の質の確保を懸念する意見も聞かれたが、大木課長は私大通信教育への懸念は当たらないこと、私大通信教育と放送大学は更新講習の受講機会に乏しい地域には確実に最後のセーフーティーネットになると期待感を表明した。

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