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記事2007年11月23日 2083号 (8面) 
ユニーク教育 (179) ―― 日生学園第二高等学校
チューター制度と進学ゼミで成績向上
全寮制で豊富な時間活用
三重県津市にある日生学園第二高等学校(青田進校長)は、緑に囲まれた広大なキャンパスに位置している。この広さはスポーツや芸術など、さまざまな活動を伸び伸びと行うことができる環境が必要との配慮に基づいている。
 同校が進学に力を入れ始めて三年になる。その新体制の下で今年三月、第一号の生徒たちが巣立っていった。入学時から学力が特に高かったわけではないが、今年の二年生は、入学時に比べて模擬試験の結果が、平均で一三・三ポイントアップした。
 この飛躍的な学力の上昇の秘密はどこにあるのだろうか。
 「本校は全寮制ですので、寮生活を生かしたチューター制度(個別学習システム)や放課後の進学ゼミなどが、その要因として挙げられます」と分析するのは、日生学園の青田力本部長と岡島義信教頭だ。
 「日生学園に入学すると、成績が伸びる」と言われるようになったという。同校の「進学コース」では、その傾向が顕著に現れている。「進学コース」と「総合コース」に分かれている。
 「進学コース」は、難関大学を突破できる実力を身につけることを目指している。授業で基礎を学び、進学ゼミで大学受験対策を考えている。進学ゼミは、高校二年から始まる。放課後や夜間に開講され、入試問題などを用いて演習を中心としたハイレベルな内容を学習している。
 チューター制度は、夜間に教師が個別に学習指導をするシステムで、まさに寮生活ならではの強みだ。例えば、苦手科目のある生徒、英語実用検定や漢字検定を目指す生徒は、授業とは別に教師の指導を受けることができる。
 「寮生活で身についた自学自習の習慣で、成績がアップすることに通じていると思います。現在、進学コース三年生全員の成績伸び率は、平均で一六・九ポイント伸びています」と青田本部長は成果を示した。
 「総合コース」は、いろいろなことに挑戦し、自分を見つけよう≠ニいう趣旨の下に、「SPORTS (スポーツ)・ART(アート)・CREATE (クリエイト)」という三つのカテゴリーを考えている。このコースでは三つのカテゴリーのすべてを体験することがポイントだ。挑戦≠ノは、この意味が含まれている。
 三年間思いっきり、好きな「スポーツ」に打ち込める環境が整っている。表現力を身につける「アート」では、吹奏楽、合唱、美術、陶芸、ダンスなどのクラブ所属者が中心となっている。また、学校行事などを通じて、さまざまなことを「創造」する喜びを学ぶ。行事の制作委員会として企画制作を行い、また音響・照明などにも挑戦している。
 「クリエイト」に挑戦≠オた成果がこのほど実を結んだ。六月十七日、NHK杯全国高校生放送コンテスト三重県大会で、放送部が最優秀賞を獲得した。最優秀賞に選ばれたのは、創作ラジオドラマ「ある日、クリスマス」で、レベルの高い声優陣と、凝った編集が高い評価を得た。
 同校は全寮制ならではの豊富な時間を利用し、学習とクラブ活動を両立させ、生徒一人ひとりが自分の可能性に挑戦≠オている。


勉強とクラブ活動を両立し大学合格を目指している

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