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記事2007年10月23日 2080号 (7面) 
新校長インタビュー (149) ―― 駒場東邦中学・高等学校
校長 渡邉 俶充氏
中高六カ年一貫と英、数、理少数教育
密度の高い分割授業が奏功
 「本校は当時の東邦大学の理事長であった額田豊博士と、都立日比谷高校の校長であった菊地龍道先生によって昭和三十二年に設立されました。その教育理念は、資源のない日本では、頭脳の資源化こそが急務であったとの考えから、科学的合理的精神に支えられた自主独立の精神を持つ人物の育成が大切だ、というものです」
 駒場東邦中学・高等学校(東京都世田谷区)の渡邉俶充校長は、同校の基本理念をこう語る。
 「目指す理想の学校を実現するのに、最も効果的だったのが中高六カ年一貫教育でした」(渡邉校長)。創立当初から中高一貫教育を実施していたが、昭和四十六年から完全一貫教育を実現した。
 また、当初から少数教育を目指し、英語、数学、理科実験は一クラスを二分する少数教育を実践してきた。現在では、中学一、二年の英語は週一時間のネイティブによる英会話を含み、すべて分割授業で行っている。数学Bでは、中学二年で教員二人がついて指導、中学三年、高校一、二年の三学年で分割授業にしている。中学一、二年の理科実験も分割により、毎週密度の高い実験を行っている。
 しかし、能力別によるクラス編成は実施していない。
 学習方針はすべての教科で、自分で考え、答えを出す習慣をつけ自立心を養うこと、また、早い時期に文・理に偏ることなく、バランスの取れた能力を身につけることを心がけている。そのため、高校二年までは、数学・理科・社会などで科目選択があるものの、文系、理系を決めていない。高校三年で自分の進路、志望大学に合わせて文理に分かれて学習を集中的に行うことになる。「五十年間の蓄積として見えないカリキュラム≠ニ言われている」(渡邉校長)。
 伝統的に高三では文系二クラス、理系三クラスにほぼ分かれ、理系では特に医学部への進学希望者が多く、最近五十人以上が志望している。
 一方、クラブ活動や学校行事への積極的な参加を勧めている。
 今年、創立五十周年を迎える。完全中高一貫教育と分割授業をもとに出来上がっているカリキュラムにますます磨きがかかっている。

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