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記事2007年1月23日 2054号 (7面) 
ユニーク教育 (169) ―― 桜の聖母学院中学・高等学校
教育新生プラン発足
人間教育と進学実績を充実



 桜の聖母学院中学・高等学校(遠藤静子校長、福島市)は平成十七年、「教育新生プラン」構想を発表、十八年度からスタートさせた。十七年、校長に就任した遠藤校長は、最近の中学・高校を取り巻く環境の大きな変化をとらえ、より高い人間教育と進学実績の両面での充実を図るため中高一貫六カ年カリキュラムを導入した。
 「『教育新生プラン』の基本的な方針は、自立した女性の育成、希望進路の実現と学力向上、部活動における心身の鍛錬によって、自信にあふれた人格の形成を目指すところにあります」と大口宏教頭は語る。
 この根底にあるのは、キリスト教の人間観・世界観に基づき、「心の教育」「共に生きる教育」「国際教育」「豊かな学力」――この四つの教育の柱だ。
 カリキュラムは中学一―二年を基礎期、中学三―高校一年を発展期、高校二―三年を完成期とし、基礎期は基本五教科を中心に学力の定着を図る、発展期は卒業時の進路決定を意識し、受験などで必要となる科目の早期履修を心掛ける。完成期は大学受験を控え、難度の高い科目の履修や受験向けの演習が主体となる。
 中学一年生から六年後をみすえて学習させると自然に先取りも行えるので、生徒各自の志望を実現させるため、理系や医学部など難関大学受験にも対応できる力を養成する「特進コース」、および、基礎・基本の反復を行い学習の定着を図る「進学コース」を設けている。
 「十八年度の中高一貫の第一期生である中学一年生は、特進コースが十六人、進学コースが二十八人でスタートしました。この『教育新生プラン』によって育った生徒たちの成長が、本学院の発展につながるものと確信しています」と大口教頭は第一期生に期待をかけている。
 高校では、医歯薬系をはじめ国公立への進学を目指す「普通科国公立特進」、多様な進路選択を確実にするための「普通科大学進学」、そして在学中の留学や難関私立大学・海外の大学への進学するための「英語科英語特進」――この三コースを設置している。
 「教育新生プラン」のほかに、同校ならではの特徴として、高校一年生全員にトレーニング教材「論理エンジン」を導入していることが挙げられる。生徒は毎朝この教材を自習し、定期的に確認テストを行う。これによって、論理的な思考力を身につけさせ、またいい意味で励まし合うのが狙いだ。
 また、創立当初から英語に力を入れており、セルハイ指定校として三年間(十六年度から)の研究成果は学校全体に浸透している。二十四年前の英語科設置以来、海外の大学等に多くの卒業生を輩出し続け、その中には世界を舞台にさまざまな職種に就いて活躍している女性も多い。中学・高校生共に海外研修やカナダ修学旅行、留学制度を施している。
 部活動も活発で、全国大会で活躍する生徒も出ている。同学院は昨年創立六十周年を迎えた。共学化が進むなかで、女子教育をしっかりと守り、生徒一人ひとりを大切にするという、創立当初の校風が脈々と受け継がれている。



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