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記事2006年8月3日 2032号 (1面) 
協力者会議 小中高等自己評価結果公表を義務化 第三者評価の有り方検討
 文部科学省の「学校評価の推進に関する調査研究協力者会議」の初会合が、七月二十五日、都内の会館で開かれ、小学校や中学校等の自己評価の実施・結果公表の義務化、第三者評価のあり方などについての検討が始まった。
 現在、幼稚園から高校までは自己評価の実施と公表については設置基準によって努力義務とされている。
 今回の協力者会議は、それらの義務化や高等教育機関では先行実施されている第三者評価のあり方の検討、学校評価システムの構築にあたって国・地方自治体・学校の役割分担、評価者の研修のカリキュラム、義務教育学校にとどまらず、高校、幼稚園、特別支援学校における学校評価のあり方などを研究することにしている。
 初会合では、天笠茂・千葉大学教育学部教授を座長に、国立教育政策研究所の小松郁夫・教育政策・評価研究部長を副座長に選出。自己評価の実施率(公立学校の場合、九六・五%)に比べ、結果の公表率が大きく下回っている(同、四二・八%)原因や背景などについて討議した。平成十八年度中に報告をとりまとめる予定にしている。
 自己評価については、実施率こそ高いものの、文部科学省も「十分ではない例も見られる」としており、天笠座長も「自己満足に終わって、内容のお粗末なケースもある」と述べており、「評価し反省するが、改善に繋がらなかった」と経験を語る委員(学校関係者)もいた。また保護者側の学校による自己評価に対する関心の低さを問題視する意見も聞かれた。
 このほか「教員の加配や補助金、地域住民のサポートなど評価のモチベーションがないとうまくいかない」といった意見や、評価者の研修の実情なども報告された。
 意見交換後、小松副座長は、学校評価を巡って用語、目的、具体的内容・方法の整理が必要なことを指摘。天笠座長は、「評価の結果の公表、他者からの評価が(学校にとっては)意味あることを(この協力者会議を通じて)伝えていきたい」と語った。
 十七人の委員には、日本私立中学高等学校連合会常任理事の久保田宏明・穎明館中学高校長も参加している。

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