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全私学新聞

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記事2006年8月3日 2032号 (1面) 
税制改正でも要望 寄附税制の抜本的改善策を
教育費負担軽減の控除制度創設
 全私学連合は七月二十一日、政府予算に関する要望とともに、「平成十九年度私立学校関係税制に関する要望」をとりまとめた。
 その中では我が国が、教育立国、科学技術創造立国として国際社会で貢献するためには、私立学校における知的・人的・物的資源の積極的活用が不可欠としたうえで、寄附税制の抜本的な改善、少子高齢化への対応に伴う教育費負担者の経済的負担の軽減を図る必要があると指摘。税制改正によるインセンティブ(刺激)効果を通じて寄附文化の醸成、私立学校が我が国における教育及び学術研究の第一線で活躍できる環境の整備が必要と強調している。
 具体的には、(1)学校法人に対する寄附促進のための措置の拡大(2)教育費に係る経済的負担軽減のための措置の創設(3)知的創造サイクル活性化のための措置の拡大(4)現行特例措置の維持・拡大――の四点を要望している。
 このうち寄附税制では、個人からの寄附に重点を置いて所得控除限度額の拡大(所得の三〇%↓五〇%)、控除の上限を超えた場合の繰越制度(五年間)の実現、控除適用下限額(五千円)の撤廃、年末調整による所得控除など手続きの改善(ほかに電子申告の充実など)、寄附金控除の対象範囲の拡大(新入生の保護者が入学後に任意に支出する寄附金についても寄附金控除の対象に)を求めている。
 (2)の教育費負担軽減減税に関しては、特定扶養控除の考え方を維持しつつ、負担者の所得に関係なく一定額を税額から控除する制度の創設、奨学金貸与者の卒業後の返還金にかかる控除制度の創設を求めている。
 (3)の知的創造サイクル活性化に関しては、知的財産の活用及び円滑な流通を図る観点から、大学に還元するライセンス収益の非課税化を要望。
 (4)の現行特例措置の維持・拡充に関しては、学校法人の資産運用収益(利子所得等)に対する非課税措置の維持、学校法人の収益事業に対する軽減税率(二二%)の維持、学校法人の収益事業収入を公益事業に繰り入れる場合の繰入額(みなし寄附金)の損金算入限度額(五〇%または二百万円)の維持、特定扶養控除制度の考え方を維持しつつ、税額控除化することを求めている。

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