
TOP >>
バックナンバー一覧 >> 2006年8月13日号二ュース >> VIEW
記事2006年8月13日 2033号 (7面)
新校長インタビュー (134) ―― 神田女学園中学・高等学校
校長 後藤 久夫氏
人間生活科で自分自身を知る
健康、優雅、礼節わきまえた女性
| 昨年九月、神田女学園中学・高等学校(東京都千代田区)の校長に後藤久夫氏が就任した。後藤校長はもともと都政人で、その第一歩は東京・板橋区にあった養育院の老人病院、老人総合研究所で、ここには通算十六年勤務。そして、都政人としての最後は東京・広尾の都立中央図書館(サービス部長)と、合計三十二年間(十六年間は管理職)都政に携わってきた。 「専門職としての経験やバラエティに富んだ職務経験は今後の神田女学園での生活にどこか役に立つものがあるかと思います」と後藤校長(『ザ・神田女学園校長報 創刊号』)。 同学園は「誠・愛・勤・朗」を校訓に掲げ、小熊又三前理事長はこれを「恕(じょ 思いやりの心)」と集約した。 同校ならではの授業として挙げられるのが、平成十六年に新設された「人間生活科」だ。この授業は、自分の生きている世界を知ることで、自分自身をもっとよく知ること、これを通して、自分自身をより豊かにすることを目指すのだ。この授業には、健康で明るく、優雅礼節をわきまえたしなやかな女性として、また、人間として大きく羽ばたいてほしいという願いが込められている。十八年度には、高校一年が「人と人のつながり」、二年が「生命・私・家族」、三年が「豊かな人生を求めて」のテーマに基づき、それぞれ個別の問題を考える。三年では「社会を生き抜く」の大テーマの下に、「家庭の中の法律」「文明の利器 ケータイ攻略」「エコアクション 環境総論」「契約の基本」「エコアクション 環境行動」などについて、外部から専門家を招いて話をしてもらう。生徒は授業を受けた感想を書く。 「家庭内のことが原因で生徒に問題が生じることが多いと思いますが、この家庭からの情報が少ないのが問題です。教師はこれを踏まえ、柔軟に取り組む必要があります」と後藤校長は実感している。 「教師の持っているポテンシャルをどのように引き出して、目標につなげていくかが改革の一歩」と、教職員にかける期待は大きい。 平成二十年春、新校舎が完成する。新校舎は安心・安全に配慮し、生徒・教職員のみならず家族を 含め「絆(きずな)を生みだす校舎」 をコンセプトに置く。
|
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。 無断での記事の転載、転用を禁じます。
|