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記事2006年7月3日 2028号 (2面)
厚労省に検討会発足
看護高校修業年限延長するなら実習施設確保が不安
全国私立看護高等学校協会(会長=佐藤仁作・仁愛高校長)は、六月十九日、東京・市ヶ谷の私学会館で総会を開き、平成十八年度の事業計画等を決めたほか、任期満了に伴う役員改選で佐藤会長の再選を決めた。
今年度は、前年度に引き続き高校の看護教育各課程の振興・発展、看護専攻科(五年一貫教育)修了者の大学等への編入学制度化、実習委託費に対する特別助成等を文部科学省や都道府県に要望していくことを中心に事業を実施していく。 それに加え、厚生労働省内に今年三月、「看護基礎教育の充実に関する検討会」(遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が発足、看護基礎教育(看護学校)の修業年限の延長が話題にもあがっていることから、必要に応じて臨時役員会や研究協議会を開催するなど迅速な対応を図る。 看護基礎教育のあり方を巡っては、社団法人日本看護協会等が今年四月、教育年限を四年以上に延長するよう自由民主党に要望している。教育年限の延長は、日本看護協会等の年来の要望。将来的に延長の可能性は決して低くない。そのため高校(三年)・専攻科(二年)の五年一貫教育への影響も懸念される。総会に出席した、文部科学省初等中等教育局の大橋泰久・教科調査官は、「高校で看護教育ができなくなることだけは避けたい」と語った。 また高校看護科を卒業した生徒の進路等の調査と、高校看護科が地域医療に貢献している情報の収集を要請。その一方で、文部科学省として、五年一貫教育の第一回生が卒業した後に、高等学校の看護教育に関する検討会を立ち上げる意向を明らかにした。 しかし出席の高校長等からは、「五年一貫教育は制度改正したばかり。卒業生すら出ていないのに……」「修業年限を延ばして実習は満足に受けられるのか」「(修業年限の延長より)卒後研修の充実の方が重要だ」といった意見が出された。
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