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記事2006年7月13日 2030号 (2面) 
文科省、来年4月の全国学力調査実施の要綱公表 私学の参加は任意
私学は国全体の状況公表
小5まで又は中2までの国語、算数・数学
 文部科学省は六月二十日、来年度から開始する「全国学力・学習状況調査」に関する実施要領を公表した。この調査は全国的な義務教育の機会均等とその水準維持向上の観点から、各地域の児童生徒の学力を把握・分析、教育及び教育施策の成果と課題を検証、改善を図るもの。調査対象は小学校、聾・盲・養護学校小学部の六年生と中学校、中等教育学校、聾・盲・養護学校中学部の三年生。初の実施となる来年は、四月二十四日の実施。再来年以降は、原則として毎年四月の第四火曜日の実施。私立学校の参加は任意。

 調査内容は国語と算数・数学で、出題範囲は小学校五年あるいは中学校二年までに含まれる指導事項を原則とし、身に付けておかなければ後の学習内容に影響を及ぼす内容や、知識や技能等を実生活の様々な場面に活用する力など、主として知識に関する問題と主として活用に関する問題からなっており、記述式の問題が一定割合導入される。また児童生徒を対象に学習意欲や学習方法、学習環境、生活の諸側面等について質問紙調査も実施する。このほか学校を対象に、指導内容や指導方法に関する取り組み、学校における人的・物的教育条件の整備状況、児童生徒の体力・運動能力の全体的な状況等に関する調査も行う。
 調査結果については、教科に関する調査結果の中央値、最頻値、標準偏差、都道府県・市町村・学校・児童生徒の学力に関する分布の形状等が分かるグラフ、教科ごとの正解率、学習意欲や学習方法等に関する結果、児童生徒の学習環境や生活の諸側面等と学力との相関関係の分析、学校における教育条件の整備状況と学力とも相関関係の分析などが示される。
 公表については、私立学校の場合、国全体の状況を公表する。また調査結果について文部科学省は、私立学校の場合、参加主体の学校法人に、設置管理する各学校に関する調査結果を提供するが、私立学校に関する情報は、教育委員会や都道府県知事部局には提供しないとしている。
 公表に当たっては、今回の調査結果は学力の特定の一部であることを明示し、数値については、読み取り方をあわせて示すことにしている。
 ただし文部科学省が調査により得られる分析データのうち公表する内容を除くものについては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律第五条第六号の規定を根拠として、同法における「不開示情報」として取り扱われる。
 調査実施に当たっては、学校等からの問い合わせや調査問題の発送・回収状況の把握・確認等に対応するため、文部科学省が民間機関に委託して「学力調査相談センター」(コールセンター)を設置する。またインターネット上で相談ができるように専用のウェブサイトも開設する。
 本調査の具体的な実施方法等については、平成十九年一月に作成・配布される調査実施マニュアルで示される予定。このほか本調査に先立って今年の十一月から十二月にかけて全国の小・中学校各百校程度を対象に、予備調査を行う。

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