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記事2006年7月13日 2030号 (2面) 
公益法人制度改革関連法成立
公益性の認定厳しく
私学関係団体も認定申請準備
 公益法人制度改革関連三法案が先の通常総会で成立し、六月二日、公布された。今回の公益法人制度改革は、「民間が担う公益」を我が国の社会・経済システムの中で積極的に位置づけ、その活動を促進するなどを目的としたもの。現在の公益法人設立に係る許可主義を改め、法人格の取得と公益性の判断を分離し、公益性の有無に関わらず、登記により簡便に創設できる一般的な非営利法人制度を創設。その一方で各官庁が裁量によって公益法人の設立許可等を行う主務官庁制を抜本的に見直し、民間有識者からなる委員会の意見に基づき、一般的な非営利法人について目的、事業等の公益性を厳格に判断する仕組みを創設するもの。
 私立学校関係団体でも今回の制度改正を受けて公益法人格の認定(取得)を受ける動きが広がっている。公益性が認定されなければ、企業と同じように課税対象になることが考えられる。関連三法の施行は平成二十年度中。公益性を判断する委員会の組織等は先行して実施される。現行公益法人の新制度への移行期間は施行後五年。
 「一般社団法人」、「一般財団法人」になるには行う事業の公益性の有無に関わらず、準則主義(登記)で簡便に法人格を取得できる。一般社団は社員二人以上で設立可能。設立時の財産保有規制はない。一般財団法人の場合、設立者は、設立時に三百万円以上の財産を拠出するなどが要件。
 その上で、公益目的事業を行う「一般社団法人」、「一般財団法人」は、国もしくは都道府県の公益認定を受けることが可能。国の認定に関しては内閣府に公益性等認定委員会(有識者七人で構成)が置かれ公益性の判定を行う。都道府県に関しても同様な委員会が設けられる。公益認定に当たっては基準が設けられており、そのうち公益目的事業については、二十三項目挙げられており、教育に直接関係するものとしては、九番目に「教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的とする事業」が挙げられている。
 また公益認定された後も、公益事業費率が五〇%を超えないことや、遊休財産の額が一定額を超えないこと、寄付の強要等を行わないことなどの遵守が求められる。
 公益性が認定された法人については、収益事業のみの課税、寄付金優遇の対象とする方向で検討が進んでいる。

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