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全私学新聞

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記事2006年6月3日 2024号 (1面) 
第20回 全私学教育サロン開催 5月22日東京で
教育費の国庫負担重要
教育は国家戦略 自主自立の経営が課題
中教審の鳥居氏、早大の關氏 教育改革・経営の改善で講演
 全私学新聞運営委員会(浅田敏雄代表)は、五月二十二日、東京・世田谷区の昭和女子大学会議室で第二十回全私学教育サロンを開催した。今年は中央教育審議会長の鳥居泰彦氏が国内外の教育改革の動向について、早稲田大学理事の關昭太郎氏が今後の学校経営等について講演した。

 今年の全私学教育サロンは本紙改題創刊三十周年を記念して開催した。当日は天気に恵まれ全国から参加した約二百人の私学関係者らが、先行き不透明な少子化時代の中で、それぞれの学園の教学・経営改革に役立てようと、真剣な表情で講師の話に耳を傾けていた。
 このうち鳥居氏は、「世界と日本の教育改革」の演題で講演した。この中で鳥居氏は諸外国で教育が最大の国家戦略となっている中で、我が国ではそうした認識が欠如していること、特にイギリスでの教育改革、経済発展などの経緯を紹介し、今や労働党のブレア首相は教育費の全額国庫負担を打ち出しているとした。その一方で、我が国では義務教育費を地方に渡すという議論が行われてきたことなどを指摘。改めて教育費の国庫負担がいかに大切な問題かを力説した。また教育基本法改正に関しては、日本が軍国主義に逆戻りするとの懸念があるが、そうしたことはなく非常に淡々とした改正であること、改正案には不満もあるが、第一歩ではあるとした。
 一方、關氏は、「新しい日本型学校経営――これで良いのか、学校経営」の演題で講演した。この中で關氏は、教育界が既得権益の上に胡坐をかいてきたとしたうえで、組織の硬直化、危機意識の欠如、難しい問題の先送りといった体質からの早急な脱出、発想転換、学校トップの強いリーダシップなどの必要性を強調。自主自立の経営、魅力的な教員づくり、寄付金・父母向け学校債の募集、ラニングコストの節減、短期、中期、長期の経営計画の立案の必要性などを指摘した。そのほか不動産の証券化、成果に応じた教員へのインセンティブ、有価証券の有効活用、学校施設の外部への貸与促進、外部資金の積極的導入の必要性などを力説した。
(近く詳報)

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