こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2006年6月23日号二ュース >> VIEW

記事2006年6月23日 2026号 (7面) 
新校長インタビュー (131) ―― 日本大学第二中学・高等学校
校長 林 俊雄氏
たくましく生きる力
長所を認め褒め励ます善悪を明確に



 「本校では生徒個々の持つ能力や適性に応じ、自主的・創造的・積極的に『たくましく生きる力』を養うことを目標に、教育活動のすべての面で『自ら学び、自ら考えて行動する力』を身につけさせる指導を心掛けています」
 日本大学第二中学・高等学校(東京都杉並区)の林俊雄校長は、力を込めて、教育方針を語った。
 「たくましく生きる力」を強調するのは、氾(はん)濫(らん)する情報、社会で自己の力ではどうしようもできないという無気力感、そして、うまくいかない人間関係などが原因で、「子供が自立できない傾向が強い」からだ。
 林校長はこの子供たちを救うには集団生活を通して、「たくましく生きる力」をはぐくまなければならないと強調する。ここに学校の存在価値を認める。
 この精神は、教育活動のすべてにわたって具現化されている。中学一年から高校二年まで立川で行う「マラソン大会」、中学臨海学校、中学林間学校などの行事、体育大会、合唱大会や、部活動などへの積極的な参加を意識的に勧めている。高校での部活動の加入率は七五%を誇る。
 中学の校長だった林校長は、今年度から高校の校長も兼ねることになった。中高一貫教育を徹底させ、中学と高校の接続を一層スムーズにさせようという趣旨だ。
 中学入学時に「中学高校の六年間で自分の好きなものを探そう」と、高校卒業時に「好きなものは見つかったか」と呼び掛けたい。そのために勉強をしっかりやらなければならないと、生徒に語りかける。
 中学一年から高校一年までは、必修教科で編成、高校二年から文理別のコース制、三年では国公立コースが加わり、教科の選択の幅を広げている。
 進路指導は充実している。中学では「人間の生き方、あり方」と位置づけ、「自分を知る」「親の職業調べ」「進路に関する興味・適性調査」などを通し、進路に関する動機付けを行っている。高校では「自己発見の時期」「進路発見の時期」「目標実現の時期」と三期に分け指導を行っている。
 「明るく、おおらかな校風」は、自主・創造性に富んだ個性豊かな人物として成長し、卒業後も第一線で活躍している卒業生を輩出している土壌をつくっている。
 「数学を教えているときが一番楽しい」と言う林校長は、「子供のいいところを認めて、褒めて、励ます、悪いところはしっかり叱(しか)るようにしています」と語る。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞