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記事2006年6月23日 2026号 (1面) 
教育基本法、継続審議に
与党、秋の臨時国会で成立へ
総合施設法案成立 特別支援学校制度を創設
通常国会閉会
 第百六十四回国会が当初の予定通り百五十日間の会期を終え六月十八日に閉会した。約六十年ぶりの改正を目指し衆議院特別委員会で審議が進んでいた「教育基本法案」は継続審議となり、秋の臨時国会まで成立が先送りされることになった。一方、衆議院文部科学委員会や参議院文教科学委員会で審議された「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案」、特別支援学校制度の創設を目的とした「学校教育法等の一部を改正する法律案」は、いずれも可決成立した。

公益法人制度の見直し実施へ

 このうち内閣提出の教育基本法については、四月二十八日に国会に提出され、通常国会終盤の五月二十四日から実質審議に入ったこともあり、当初から会期の延長がなければ成立は難しいと見られていた。それでも教育基本法改正審議は、民主党から出された対案「日本国教育基本法案」とともに、十三回、特別委員会が開かれ、審議時間は合わせて五十一時間にも及んだ。
 この間、中央教育審議会の鳥居泰彦会長や教育基本法改正論議のきっかけを作った教育改革国民会議(総理の私的諮問機関)の委員だった田村哲夫・渋谷教育学園理事長(現・日本私立中学高等学校連合会長)ら十二人の教育関係者や学識経験者等から意見聴取を行った。中教審は新時代にふさわしい教育基本法の在り方を審議してきた。
 審議内容は、学校教育における愛国心の評価の是非など愛国心をめぐる問題が大きな争点の一つとなったが、そのほか教育費における公財政支出の低下や政府案施行後の具体的教育施策の在り方、政府案における子ども視点の有無など幅広い分野に及んだ。
 一方、常設の委員会で審議されていた、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案」は、六月九日の参議院本会議で可決・成立した。
 これは幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」を創設するもので、実質的には平成十九年度から本格始動することになる。
 衆参両院の委員会では付帯決議が採択された。付帯決議では教育・保育に係る行政機関の連携強化や総合化などが求められている。
 また現行の盲・聾・養護学校の区分を廃止し、特別支援学校とすることや、盲学校等の免許状を特別支援学校教諭免許状に一本化することなどを定めた「学校教育法等の一部を改正する法律案」は、六月十五日の衆議院本会議において全会一致で可決・成立した。この法案も衆参両院の委員会で付帯決議が採択された。
 このほか行政改革の一貫として「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案」など公益法人改革関連三法案が五月二十六日の参議院本会議で可決成立した。この公益法人改革は一般の社団や財団の設立をこれまでの許可制から登記だけに簡素化する半面、公益性の認定については別途厳しい審査を行い、公益性が認定された法人にのみ優遇税制などを適用するというもの。施行は平成二十年中。現行の公益法人の移行期間は五年などとなっている。

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