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記事2006年5月3日 2020号 (3面) 
中央教育審議会の審議動向
国際戦略 2大学からヒアリング
ICU 単位の相互認定 21ヵ国と交換留学 留学生受け入れ倍増早大
【大学分科会】
 中央教育審議会大学分科会(分科会長=相澤益男・東京工業大学長)は四月二十一日、都内で会合を開き、「我が国の大学の競争力強化と国際展開について」をテーマに森本光生・国際基督教大学(=ICU)副学長と小口彦太・早稲田大学常任理事よりヒアリングを行った。森本副学長はICUの国際教育交流は「戦略」として新たに計画させたものというより、昭和二十八年開学以来の大学の「使命」そのものだと強調した。
 ヒアリングで森本副学長はICUの国際戦略としての教育内容について説明。ICUでは二カ国語主義を前提に、日本語と英語を大学の公用語としている。教授陣も国際的で日本以外の国籍が約三割を占め、構内の教員住宅や学生寮に国際的なコミュニティーが息づいているという。
 留学先の単位の相互認定も行っている。例えば昭和三十九年からカリフォルニア大と始まった交換留学、海外留学プログラムは今年の四月現在、二十一カ国に及び、五人に一人の交換留学枠になるまで広がりをみせた。
 留学参加者は帰国後に留学報告会を実施する。異文化、多様な考え方を知ることで日本を見つめ直すことが出来るようになったり、自分を振り返ることで自己理解、自信につながり、行動力、問題解決能力を身に付けるという。
 今後は学生の新たなニーズに対応し、留学プログラムも、通年のプログラムから学期単位の交換プログラムも検討している。英語の授業割合も学生の要望を受け、現在の二〇%から四〇%に引き上げることも構想している。
 一方、早稲田大学の小口常任理事は同大のアジア太平洋地域における知の共創をテーマに取り組みなどを語った。平成十一年度から十六年度までの七年間をみてみると、同大では留学生の受け入れは千九十四人(十一年度)から二千七十六人(十六年度)とほぼ倍増している。さらに留学生派遣においては二百九十二人(十一年度)から八百四十二人(十六年度)と大幅に増加している。
 これらは「国際的競争力」を向上させて、アジア太平洋地域で存在感のある大学を目指すこと、戦略的観点に立った研究教育拠点を創ることが目的だ。具体的な取り組みとして小口常任理事は、協定校とのダブルディグリープログラムを説明。北京大学との博士課程学生の共同育成や台湾大学とのダブルディグリープログラムなどを話した。

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