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記事2006年5月23日 2021号 (1面) 
「教育基本法」衆院で審議、教育目標等で質疑
義務教育の9年規定を削除
本会議で小坂文部科学大臣が趣旨説明 特別委員長に森山眞弓氏就任
 政府が四月二十八日に国会に提出した「教育基本法案」の審議が衆議院の教育基本法に関する特別委員会で始まった。五月十一日には初会合が開かれ、森山眞弓・元文部大臣が委員長に選出された。委員は四十五人。委員会の構成は自由民主党が二十七人、民主党が十一人、公明党が三人、日本共産党が一人、社会民主党が一人、国民新党が一人、無所属が一人。自民党は委員二十七人中十人が文部(科学)大臣経験者という顔ぶれだ。初会合では理事八人も選出された。

 五月十六日には衆議院本会議で同法案に関する趣旨説明が小坂憲次文部科学大臣から行われ、これに対して自民党の下村博文議員、民主党の鳩山由紀夫議員、公明党の太田昭宏議員、日本共産党の石井郁子議員、社会民主党の保坂展人議員が質疑を行い、小泉純一郎総理、小坂大臣らから答弁があった。
 本会議終了後には、二回目の教育基本法に関する特別委員会が開かれ、ここでも小坂大臣から同法案に関する趣旨説明が行われた。質疑は行われなかった。
 十六日の衆議院本会議では、小坂大臣の趣旨説明に下村議員は、第二条の「教育の目標」の中で「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」と、心ではなく態度としたこと、義務教育年限の九年間の規定を削除したことなどについて政府の意向を尋ねた。
 これに対して小坂大臣は、態度を養うことは、心を培うことと一体となって行われるものであること、九年規定の削除については、将来の延長の可能性も視野に入れつつ、その際、手続きが柔軟に行えるよう、教育の年限については、学校教育法に委ねることにしたと答弁した。
 また鳩山議員は、政府が今国会の会期残り一カ月で同法案の成立を目指していることは国民軽視だとし、これから一年、二年かけて議論すべきだと主張。さらに教育費が家計を圧迫している問題を取り上げ公財政支出の充実の必要性を強調した。これらについて小泉総理は、公財政支出は、在学者一人当たりの額では欧米に遜色ないことなどを説明、このほか幼児教育の無償化については、今後幅広い検討が必要だとした。

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