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記事2006年5月23日 2021号 (1面) 
自民党特別委員会、「教育における国の役割」で中間報告
私学への助成や奨学金充実
幼児教育無償化、教委の私学支援も
 昨年十一月の三位一体の改革に関する与党・政府合意で、今後の検討課題とされていた義務教育や高校教育等のあり方、国、都道府県、市町村の役割等について検討を続けていた、自由民主党文部科学部会・文教制度調査会の学校教育特別委員会(塩谷立委員長=衆議院議員)は、五月十六日、「教育における国の役割について」と題する中間報告をとりまとめた。
 この中間報告は、同委の下に設けられた高等学校教育小委員会、教員・学校評価小委員会、教育委員会小委員会、幼児教育小委員会が四月から五月中旬にまとめた中間報告のポイントを中心にまとめられたもの。
 中間報告は、「義務教育における国の役割の明確化」「幼児教育と高等学校教育における国の役割の強化」「都道府県・市町村・学校の役割の明確化」についての提言からなっており、義務教育における国の役割の明確化に関しては、教職員の給与を全体として一般公務員の水準を下回らないこととしたうえで、能力・業績に見合った処遇の仕組みとなるための制度的な枠組みを構築するなど教育条件整備のための全国的な基準を設定すること、学校教育法、学習指導要領を通じた目標設定の法的位置づけの明確化など全国的な教育水準の達成目標の設定と、実際の達成状況の検証、学校や地方公共団体が運営に著しい支障や法令違反があった場合、国が調査を行う権限の明確化など国が教育の質に最終的な責任を持つこと、私学助成の充実など教育の実施に必要な財源を確保することを提言している。
 幼児教育と高校教育における国の役割の強化に関しては、幼稚園・保育所を通じた幼児教育機能を強化、幼児教育の無償化を目指すとし、その時期については税制の抜本的改革に合わせてとしている。高校教育については役割、仕組みを再構築、私学助成と奨学金の充実の必要性も指摘している。また高校教育への評価の導入、高校卒業資格認定試験の導入(修得主義の徹底)を目指すとしている。
 そうした一方で、特別委員会の中間報告にはないが、教育委員会小委員会の中間報告には私立学校については、教育内容のより一層の改善を図ることができるよう、その自主性を尊重しつつ、教育委員会が指導・支援できるようにすることを提言している。また教育委員会の教育内容改善のノウハウは私立学校にも生かされるべきだと指摘している。

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