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記事2006年4月3日 2017号 (1面) 
3歳未満児の幼稚園受入れ、校地面積基準引き下げ、など弾力化
4特例措置の全国展開 9月に結論
構造改革特区評価委
 政府の構造改革特別区域推進本部は三月十四日、都内で評価委員会を開き、平成十八年度上半期に全国実施の是非等を評価する特区での特例措置について調査計画を決定した。特区での特例措置については、弊害がなければ規制を緩和して全国実施することになっており、今年九月、教育関係では「三歳未満児に係る幼稚園入園事業」「校地面積基準の引き下げによる大学等設置事業」「運動場に係る要件の弾力化による大学設置事業」「空地にかかる要件の弾力化による大学設置事業」の四特例措置について全国展開の是非等について結論を出すことになっている。

 このうち「三歳未満児に係る幼稚園入園事業」は、幼稚園に入園できる時期を、現行の学校教育法第八十条では満三歳からとしているところを、満三歳に達する年度の当初(四月)とするもの。すでに三十四の構造改革特区で幼稚園への二歳児受け入れが実施中だ。この特例事業の評価は今回で三度目。前回の評価(平成十七年度上半期)では、三歳未満児受け入れに関して施設設備や人員配置、公的負担などの問題が文部科学省、評価委員会双方から指摘され、そうした問題等の検討が必要として、評価が一年先送りされた。このため文部科学省は十八年度に二歳児の受け入れ形態として、また施設設備、職員体制によって問題が生じていないかについて今年四月から五月にかけて現地調査などを行う計画。一方、評価委員会は幼稚園の園長に対して二歳児受け入れによる子供の育ち、あるいは経営上の効果があったかなどを、また特区を実施している地方自治体に対して二歳児受け入れ事業が成功するための最も重要な要件などを調査することにしている。
 一方、「校地面積基準の引き下げによる大学等設置事業」「運動場に係る要件の弾力化による大学設置事業」「空地にかかる要件の弾力化による大学設置事業」は、いずれも平成十七年度上半期に続いて二回目の評価。
 このうち校地面積基準に関する特例措置は地方公共団体等などが土地の集積が高い等の特別な理由があって大学や短大の教育・研究に支障が生じないと認める場合に、校地面積を減ずることができるという特例措置。
 運動場や空地についても同様な場合、同等な代替措置等が講じられていれば、運動場等を設けなくてもいいというもの。この特例措置が適用されている大学等の大半は株式会社立校。一年前の評価ではいずれも学生が入学して一カ月を経過しただけで成果や弊害が判断できる状況ではないとして引き続いての調査が決まった。校地面積基準については一特区で、そのほかは十一特区で特例措置が行われている。
 平成十八年度上半期の評価で文部科学省はこれら三特例措置について授業の実施等の教育活動や研究活動、学生生活、学生の休息場所の確保等にどのような影響が生じているかを調査する。
 一方、評価委員会は特例措置に関して支障や問題、特例措置実施による経済的社会的効果などを当該学校や地方自治体に対して調査することにしている。今後は両組織による調査や文部科学省からのヒアリングなどを経て今年八月には評価委員会から構造改革特別区域推進本部の小泉純一郎本部長に意見が提出され、九月には同本部で正式に特例措置のうち全国展開するものなどが決まる。
 このほか特区において実施件数が少ない特例措置について、実施が広がらない原因などの調査を総務省行政評価局に依頼した。
 このうち文部科学省関係は「公私協力学校設置事業」(実施件数ゼロ)と「校地・校舎の自己所有要件を要しない専修学校等設置事業」(同一件)の二特例措置。

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