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記事2006年4月3日 2017号 (8面) 
ユニーク教育 (155) ―― 大谷中学校・高等学校
中高一貫の学習指導
医進、特進、英語、英数の4コース制導入
 大谷中学校・高等学校(太田一江校長、大阪市阿倍野区)は、創立九十七年の歴史を誇る女子校だ。「次代の母たるべき若き魂に、深い信仰と豊かな教養を培おう」の願いを込めて、校租左藤了秀が大谷裁縫女学校を開校したのに端を発する。
 この建学の精神に基づいて、「宗教的情操教育」「徹底した躾(しつけ)教育」「中高完全六年一貫のきめ細やかな学習指導」――の三つの教育方針を掲げる。このうち、中高一貫教育に対する学習指導は、生徒の希望を十分配慮したものになっており、それはコース制に表れている。
 同校では、医進、特進、英語、英数の四コース制を導入している。
 「医進コース」では医・歯・薬系およびハイレベルの理系への進学を目指し、効率のよい先取り型指導を行っている。
 「特進コース」についても先取りカリキュラムを組み、文系・理系を問わず、六年間を通じて基礎・応用・発展へと着実なレベルアップを図り、国公立・難関私立大学への合格を目指している。
 「英語コース」は英語力を生かして難関大学を目指す生徒のためのコースで、高校二年次から、一年間海外留学できるようにカリキュラムを組んである。
 「英数コース」は中学二年次に「英語コース」の中から希望者による習熟度別クラスとして編成される。独自のカリキュラムによって、国公立・難関私立大学を目指す。
 特色教育の一つとして挙げられるのが海外研修、姉妹校交流、外国人留学生受け入れ、および外国人講演会だ。このうち、海外研修には(1)オーストラリア研修(2)ニュージーランド研修(3)タイ体験留学を行っている。また、英語コース生には(4)カナダ研修旅行を予定している。
 姉妹校交流として、(1)クロフトン・ハウス校(カナダ・バンクーバー)、(2)セント・キャサリンズ校(オーストラリア・シドニー)、(3)アボッツリー校(オーストラリア・シドニー)(4)マキロップ校(オーストラリア・バサースト)、(5)タイ・シーサケット県・ラボンラタチャニー県にある五校――これらの学校と活発に交流を行っている。(6)さらにニュージーランド・オークランド・ガールズグラマースクールと姉妹校提携を予定している。
 同校の十八年度入学試験では、募集定員二百八十七人に対して受験者数が千五百人を超えた。
 入試説明会ではできるだけ分かりやすく説明し、クラブ発表を通して、生徒の元気のいい様子を見せて学校の雰囲気を理解してもらえるように努めている。五月の学校見学会・オープンキャンパスでは、クラブ発表や、児童が参加する国語・数学・英会話・理科実験を行っている。保護者には講演会を行っている。
 またクラブ活動については、バトントワリング、演劇、吹奏楽の各部は全国レベルの実力を持っている。このほど行われたトリノ・オリンピック大会には、卒業生の神野由佳さんがスピードスケート・ショートトラックに、伏見知何子さんがスノーボード・ハーフパイプに出場した。しかし、同校の何よりの特色は瞑目と合掌ではじまり瞑目と合掌で終わる、学校生活である。心豊かで、高い知性を持ち、美しい振る舞いの女性の育成を目指している。

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