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記事2006年3月3日 2014号 (2面) 
奨学金受給率上昇傾向
寮生54%、自宅生の三倍に
全国大学生協連調べ
 奨学金をもらっている大学生は、寮生が約五四%と自宅から通う学生のおよそ三倍近い受給率であることが二月二十四日、全国大学生活協同組合連合会(代表=庄司興吉・東京大学名誉教授)の調査で明らかになった。受給率は十年前に比べ下宿生、自宅生ともに増加、同連合会では「家計からの出費が厳しくなっている中で、奨学金への依存が自宅生・下宿生とも一層高まっていることが明確になった」としている。
 調査には七十八大学生協が参加し、毎年指定している三十九大学生協で回収した平均値をとった。九千九百三十四(三四・八%)の回収調査票を得た。
 奨学金について「自宅生」「寮生」「下宿生」(寮生を除く)の三つに分類し受給率をみてみると、平成十七年は、寮生が五四・一%と過半数に達し最も高かった。次いで下宿生が三四・三%、最も低かったのは自宅生で一八・八%だった。
 特に最も差の大きかった自宅生と寮生についてみてみると、寮生は自宅生のおよそ三倍近い受給率となっており、三五ポイントと大きな差が生じている。ただ十年前の平成七年と比べると自宅生は六・四%、下宿生で九・四%と増加していて、厳しい生活状況が浮き彫りとなった。
 同連合会の和田寿昭専務理事は「受給者は年々増加しており、奨学金に頼った生活をしている学生が増えている。だが後で返さなければならないので借金を抱えるのを避け、アルバイトで生計を立てている学生もいる」と現状を分析した。
 平成十八年度の全国学生委員長の松田かなえさんは月三万円の奨学生だった。年末の申請時は大学では長蛇の列ができたという。松田さんは「月三万円だったけれど、親からはだいぶゆとりが生まれたと聞いた」と話している。

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