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記事2006年3月23日 2016号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
教職実践演習と教職大学院検討
免許に相当する知識と技能など確認
【教員養成部会】
 中央教育審議会教員養成部会(部会長=梶田叡一・兵庫教育大学長)は三月十三日、都内で会合を開いた。「教職実践演習(仮称)」と教職大学院のカリキュラムイメージについて、部会の下に設置された各グループより報告があった。ほかにも課程認定委員会より実地視察の充実や、学部段階での教員養成の充実を求める提言などを受けた。
 教員免許更新制の条件に想定する「教職実践演習」の具体的内容などについて検討している「教職課程の改善・充実に関する協力者グループ」はこれまで二月と三月にそれぞれ一回会議を開いている。
 「教職実践演習」の趣旨・ねらいとしては「各大学が、学生が当該免許に相当する知識と実践的技能についての最終確認」「教員としての最低限必要な資質能力(特に実践的指導力)を確認」「自らの到達点をとらえ確認する営みとする」などとしている。
 内容は教職実践演習a、b、cに分け、aではすべての学校種や免許に共通する教師としての基本的な指導力を確認する内容、bでは表現系の教科免許に対応、cは認識系の教科免許に対応することなどを例示。事前指導、教育実習との関連を重視し、事後の指導に重点を置くとしている。
 次回の教員養成部会に「教職実践演習」のカリキュラムイメージを報告する方針だ。
 一方、教職大学院の創設を検討している専門職大学院ワーキンググループに設置されたカリキュラムイメージを検討する作業グループでは、まだ部会に提示するに至っていない状況だという。
 また課程認定委員会では昨年の「今後の教員養成・免許制度の在り方について(中間報告)」における提言として、「まずは既存の教職課程、特に学部段階の教員養成教育の改善・充実を図ることが重要」と指摘。さらに教職課程の認定に係る審査について、「大学全体の教職課程の運営方針等を審査対象とすることや、教員養成に対する理念・構想など、当該大学の教員養成に対する姿勢や、教職課程を必要とする理由を十分に確認すること」などの充実を求めている。
 また、実地視察の充実も提案し、一定期間(例えば十年間)内に、原則としてすべての課程認定大学を対象に視察を行うことを目標に掲げた。実地視察の結果は文部科学省のホームページで公表するとした。さらに、教職に関する科目の講義概要(シラバス)の提出を義務付け、これも含めて教育課程の審査を行うこととしている。

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