こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2006年3月23日号二ュース >> VIEW

記事2006年3月23日 2016号 (5面) 
ユニーク教育 (154) ―― 桜花学園高等学校
洗練された近代女性育成
保育コース が高評価、総合学習で教養
 桜花学園高等学校(村本邦夫校長、名古屋市昭和区)のメイン施設である本館が昨年七月に完成した。「桜花学園らしい、明るく、清潔感と安心感があり、家庭的で温もりのある校舎」をコンセプトに、多様化する教育に対して設備機能を新たに設け、教育環境の一層の快適さと充実を図った。
 校舎壁には古代ローマの住宅建築を思わせる「アトリウム」の壁画が飾られている。また、校舎の屋上には安らぎを与えてくれる芝が植えられ、ビオトープもつくられており、環境教育に役立たせている。
 明治三十六年「心豊かで気品に富み洗練された近代女性の育成」を建学の精神に掲げ、桜花義会看病婦学校を設立、以来、百余年にわたって女子教育に徹している。
 同校は生徒一人ひとりの希望に合わせたきめ細かな進路指導を行っており、保護者からは「面倒見がいい学校」「学習指導が熱心だ」と好評だ。自習室をはじめ、職員室の出入り口付近に机を配置し、授業時間外でも生徒が気軽に教師に質問できる個別スペースを設けているのが、その表れだ。
 一年次では、特進と進学の二コースに分かれ、適性や進路、学習について考えさせるとともに、基礎学力の充実と学力の定着を図る。週四日の五十分七限授業、毎週の国数英の朝の小テスト、校外模試、学習合宿などを実施している。英検受験、漢検・数検受験にも積極的に参加し学力をつけている。
 二年次からは進学コースが保育、文系T、文系U、理系の四コースに分かれる。中でも、保育士や幼稚園教諭として活躍する人材を育てている保育コースは人気がある。保育ボランティア活動、幼稚園での保育実習や大学教授の講義など、高校から保育を専門的に勉強できるところに人気があるようだ。しかも、桜花学園大学や名古屋短期大学の保育科への有利な学内推薦制度が設けられている。また、授業で作ったおもちゃを私学手芸展にも出品している。大学の保育科に進んだ学生からは「保育コースで学んだ知識が役に立っている」と喜ばれている。
 「総合的な学習」で行われている講座は、大人になる前に身につけておきたい教養を週に一時間、三年間にわたって学んでいる。体験したり、学んだりする分野をできるだけ広く用意し、興味が膨らみ、生徒が主体的に生きるための基礎づくりと考えているところに、大きな特色の一つとなっている。
 「女性学」では女性としての内面を磨くことに重点を置き、「自分」を生きる、「時代」を生きる、「女性」として生きることを考える。
 お茶のお点前の実技を習得しながら美しい言葉、立ち居振る舞いを学び、浴衣の着付け、帯の結び方を実習し、日本女性文化の伝統を学ぶ。美しいしぐさや、さりげない心配りが身につくと、生徒に好評である。心豊かな国際人を目指すため、日常会話を直接ネイティブから学ぶ講座も開設されている。
 クラブ活動は活発で、バスケットボール部をはじめ、ハンドボール、なぎなた、陸上競技など各部は全国大会で上位の実績を残している。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞