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記事2006年2月3日 2011号 (8面) 
ユニーク教育 (151) ―― 聖母女学院中学・高等学校
二期制で完全学校週5日制
土曜は聖母ゼミナール

林校長

 聖母女学院中学・高等学校(林尚之校長、大阪府寝屋川市)は一九二三年、創立された。「この世に生まれたことを喜び感謝し、一人ひとりに与えられた才能を生かして、人々に奉仕するように努める。友情を大切にし、信頼のうちにお互いを磨きあって、成長していくように努める」――同校はこのキリスト教の精神に基づき、生徒自身が主役であり、生徒を高める教育を展開している。
 この方針は、学習面をはじめ、学校生活や日ごろの生徒の生活態度となって表れている。
 同校は中高六年の一貫教育を通し、中学一・二年を基礎徹底期、中学三年・高校一年を実力養成期、そして高校二・三年を進路実現期と位置づけている。中学では文理総合と英数特進の二つのコースに分かれ、高校からさらに総合(進学)、英語(進学)、理数進学、スーパーの四コースに分かれ、それぞれの希望進路の実現に向けて効率よく取り組める体制をとっている。特に、スーパーコースは国公立大学等の難関大学を目標とする。一年から英語、数学、国語を中心にセンター試験に必要な基礎的な学習指導を行っている。二年では基礎から発展へ対応する力の育成に努め、三年では多様な選択科目によって志望大学への実現をサポートする。
 また、二〇〇二年に二期制を導入したことにより、授業時間数が確保でき、学校行事を実施する上で多くのメリットがあったという。完全学校週五日制を採用し、土曜日は七十五分単位の聖母ゼミナールを実施している。この聖母ゼミナール希望者を対象に、予備校と連携し英検指導から大学受験に直結した授業など幅広く開講している。在校生からは「普段と違う先生に教えてもらうのも刺激があるし、同じ目的を持った仲間たちばかりなので、励みにもなります。問題が難しくたいへんなこともありますが、模試の成績が上がったときは最高でした」と好評だ。
 キリスト教の精神は宗教教育、福祉教育、国際プログラムにも表れている。宗教教育では、ミサや練成会、クリスマスなどの行事を通じて、キリスト教についての理解を深める。また、福祉教育では、あしなが募金や近隣の福祉施設への訪問などさまざまな活動が学校生活の一部として定着している。タイ東北部を毎年訪れ現地で活動しているシスターたちと、地元の子供たちの支援や交流活動を行っている。
 同校が目指す国際プログラムは、異文化交流や語学力の向上だけではなく、海外を訪れることで自分自身を見つめ直し、自ら考え判断し行動していく力を身につけてもらいたいという考え方に基づいている。そのプログラムの多さで力の入れ方が分かる。――短期プログラムとして、(1)ニュージーランド語学および異文化体験学習(中三・高一希望者)(2)カナダ語学研修二〜三週間(高校生希望者)(3)フランス・デ・ゾワゾホームステイ交流十一日間(高校生希望者)(4)タイ・国際ボランティア十日間(高校生希望者)が、長期プログラムとして、(1)カナダ留学プログラム一年間(高校生対象)(2)交換留学プログラム一年間(高校生対象)(3)海外進学留学・基本的に四年。
 短期の海外語学留学を体験し、航空会社に入社した卒業生からは「帰国後も少人数できめ細やかな指導体制の中で、私の希望がどんどん現実のものへと近づいていくのを実感しました」と感想を寄せている。
 同校は知・徳・体のバランスの取れた教育を実践、生徒の可能性を大切にし、一人ひとりの夢の実現をかなえるために確かな学力を身につけている。


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