こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2006年2月23日号二ュース >> VIEW

記事2006年2月23日 2013号 (3面) 
奨学金、教養教育など議論
学生視点の大学教育探る
【大学分科会大学教育部会】
 中央教育審議会大学分科会の大学教育部会の第一回会合が二月十三日、都内で開かれた。部会長は木村孟・独立行政法人大学評価・学位授与機構長が務める。同部会では学生の視点に立った大学教育の促進、社会に送り出すための支援方策などについて調査、議論する。初会合で自由討議が行われ、委員からは教養教育の明確化や、学部での奨学金制度の充実、さらには学生へのしつけの問題などが出され、活発な議論を展開した。
 石弘光・中央大学総合政策学部特任教授は「私学も含め大学の再編が今後行われるだろう。大丈夫な大学はほっといてもよいが、だんだんと劣化して破たんに陥るところも出てくる。この見極めをどうするかが行政の仕事。一つのガイドラインを示す必要があるのでは」などと話した。また北原保雄・独立行政法人日本学生支援機構理事長は、大学院で成績優秀者に対し一部学費免除制度があることなどを挙げ、学部での制度導入について言及、さらに奨学金制度の充実についての議論も求めた。
 相澤益男・東京工業大学長は「機能分化に絡み、新たな視点に立った教養教育について具体性を持った議論が必要。教養教育という言葉の受けとらえ方が大学では違う」と、学校現場との温度差を指摘した。
 一方、経済界からの意見として黒田薫・鞄激血o営研究所人材開発部長は新入社員に対し「企業に入ったら、まずあいさつ、電話の取り方、マナー教育までしなければならない」と指摘。さらに茂木友三郎・キッコーマン椛纒\取締役会長は「学生の質が落ちているのでは。顧客サービスという姿勢では学生は甘え出しもっと悪くなる。一般論として(大学には)勉強させてもらいたいし、産業界も反省しなければならない」と話した。
 ノンフィクション作家の山根一眞氏は「しつけの『つけ』が大学にきている。大学側から小中、高校へ発言、支援していくことも必要」と提案した。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞