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記事2006年2月13日 2012号 (7面) 
新校長インタビュー (129) ―― 多摩大学附属聖ヶ丘中学・高等学校
校長 丹伊田 敏氏
本物に触れる質の高い授業
人格形成柱に進学にも力を



 「本校は、本物に触れる・質の高い授業、人格形成を柱に結果として進学実績が出る教育を展開しております」と丹伊田敏・多摩大学附属聖ヶ丘中学・高等学校長(東京都多摩市)は力強く話す。
 同校は昭和六十三年に設立され「自主研鑽」「敬愛奉仕」を教育目的にしている。中学・高校六年間を三段階に分け、中学一・二年を基礎・基本を修得する段階、中学三年・高校一年を個性と進路適性発見の段階、高校二・三年を応用力をつけ大学受験に向けた学力を伸ばす段階と位置づけている。このカリキュラムの基に進学に力を入れながら人格形成の基礎を築いた教育を行っている。
 「基礎学力をきちんと身につけ問題解決能力を養うことが重要です。基礎・基本こそ『やって見せ』ながら模範を示し、その理論付けとして『言って聞かせ』『やって見せて』を分かりやすく説明することです。そして『させてみて』その上で『人は動く』のです」と教育の本質を説く。
 本物に触れる授業ではさまざまな場面が考えられている。理科の授業は実験を数多く取り入れ、社会科では土曜日に鎌倉、川越、埋蔵文化財センターに出かけ見学をする。またニュージーランドへホームステイの修学旅行を行っている。ユニークなのは中学二年に新潟の農家に宿泊する田植え実習がある。ここでは田植えや農作業を体験する。
 「質の高い授業とは、教師が生徒に合った教材を作り、授業を組み立てることが前提となりますが、そのためには十分に生徒の理解力を知り、自ら考える力を身につけさせるよう日々工夫をしなくてはなりません」
 丹伊田校長は、体験を通し、自分で考える姿勢を重視する。これは教科および生徒指導を通し多くを経験して裏付けがあるからだ。同校で二年間副校長に就任する前は、東京学芸大学附属高校で三十三年間、化学を教えていた。その間JICAのインドネシア理科教育支援活動、学界では日本化学会、日本理化学協会での活動と役員を歴任し、理科・化学教育について貢献してきた。NHK子ども科学電話相談出演もした。「学校は楽しくなければダメ」と言い切る丹伊田校長は、多くの教え子との交流が続いている。

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