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記事2006年12月13日 2051号 (7面) 
新校長インタビュー (139) ―― 品川女子学院中等部高等部
校長 漆 紫穂子氏
能動的にチャレンジする精神育成
ライフデザイン教育実践
 「私たちは世界をこころに、能動的に人生を創る日本女性の教養を高め、才能を伸ばし、夢を育てます」
 品川女子学院(漆紫穂子校長、東京都品川区)のミッションだ。
 このミッションに基づいて、同校では「28project」と題し、二十八歳になったときに社会で活躍できる女性を育てることを目標としている。「二十八歳は、学んだことを社会に還元できるようになる頃でもあり、出産年齢にリミットがある女性にとっては人生のライフ・ワークバランスを考える時期でもあります。このときに一生涯を視野に、しっかりとした足取りで未来に向かう人に育っていてほしいのです」と漆校長は語る。
 そのため二十八歳の未来から逆算し「ライフデザイン教育」を実践している。
 中等部一年では「社会と自分とのつながりを知る」(地域ボランティア活動などへの参加)、二年では「日本を知る」(茶道、華道・着付けなどを通し日本の精神を学ぶ)、三年では「世界を知る」を、テーマに学ぶ。このうち三年では、ニュージーランドへの修学旅行で全員がホームステイを経験する。また、仕事の「世界」を学ぶことにより、学校の勉強が社会とどのようにつながっているのか、自分の今と未来がどうつながっているのかを知る。
 中等部での体験を通し広がった視野を、高等部では各自の目標に向けフォーカスしていく。「大学教授出張授業」、大学関係者による「進路相談会」等を積極的に進めている。
 「生徒たちには失敗を恐れず能動的にチャレンジしていく精神を身につけてほしいと思います。これは本校の創立の精神『志願無倦』に流れている精神でもあります」と心のあり方を強調する。
 こうして育った生徒達は「企業とのコラボレーションで作った製品を販売し、その利益で発展途上国の子供たちのために学校を作るプロジェクト」を自分たちで立ち上げるなど、能動的に社会に関わり貢献する心と実行力を身につけている。また企業と生徒とのコラボレーションで製品化を試みるプロジェクトを全員を対象に行っている。
 「私学は選んでくださっている生徒・保護者や、同じ価値観を持っている教職員の集合体で出来上がっていますから、みんなで力を合わせて守っていくものだと思います。在校生を将来の日本を支えるような女性に育てることと、卒業生の母校としての本校を守ることが私の仕事です」と漆校長は言い切る。

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